そういえばアンダーコントロールとかあったな

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 「新・三本の矢」の時のようにシレッと無視するかと思ったが、まだそこまで堕ちてはいないようだ。

 とにかく、そろそろ6年にもなろうかという時期になって、やっとわかったメルトアウトな事態なわけだが、さすがにこれを隠蔽できるほどに「アンダーコントロール」ではなかったということか。

 

 2号機の画像では、デブリの可能性がある堆積物のほかに1メートル四方の穴も確認できた。カメラを通した通路には推定で毎時530シーベルトと、人間が浴びれば1分足らずで死ぬ放射線量の場所があった。

 撮影には7時間ほどかけ、安全に配慮してのべ63人が短時間ずつ交代してカメラを入れた。これだけでも大変な作業だ。

 

 今ここで呼吸していられることを神に感謝したくなるほどの酷さである。

 そして、現時点ではっきりわかっていることは、「とりあえず、手も足も出ない」ということだけだ。

 

 政府と東電工程表(ロードマップ)によると、今夏にもデブリの取り出し法を決め2021年に除去を始める。デブリの広がりや原子炉内の損傷によっては計画の軌道修正も迫られるだろう。 

 

 少なくとも、東京オリンピックまでは絶対間に合わないし、工程が遅れることはあっても早まることはない、というわけだ。

 で、オリンピックまで、この産み落とされた「カグツチの神」が大人しくしててくれるのかどうか。

 

世界を見渡しても経験したことのない現象で、常に予想外の事態を覚悟しておく必要がある。 

 

 火の神カグツチを産み落としたイザナミは死んだが、そんな神話を再現する事態とならないかどうかは、まさに神のみぞ知るというところだ。

 幸運を我が物のように語れば、その傲慢さが災いとなって返るのが神話の常である。

 ただし、「アンダーコントロール」という傲慢さの報いを受けるのは、それを口にした輩ではなく、あずかり知らぬ無辜の民であるわけだが。

  

 

Under Control (DJ Shocker Remix)

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最後の最後に若者が離れていくもの

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 これ、人口動態とか色々な問題が含まれているわけだが、

 

 全国で空き家が急増しているように、住宅はすでに量的には足りている。人口に続いて20年ごろには世帯数も減少に転じることを考えれば、新規建設よりも既存住宅の有効活用へ、住宅政策の重点を大胆に移す必要がある。 

 

 という、日経さんの提言は満願堂の芋きんよりも甘い。

 まず、既存住宅はもはや有効活用などできない。ほとんどが「不良資産」である。目黒、赤坂のような場所ですら、うっかり中古住宅を遺産相続したりすると、固定資産税に頭を悩ます仕儀となる。面倒だから売ろうとしても、これがなかなか売れない。

 もちろん大地主やビル・オーナーであればその限りではないが、地方ではそれすらも不良資産となりつつある。売るに売れない山林や、外装がボロボロのままのビルなど、持てるものが頭を抱えている。

 なのに不動産屋の頭の中には今も「土地神話」が息づいており、

 

 日本では住宅の建物の価値は築20年を超すとほぼゼロになる場合が多い。かつての土地神話を背景に「土地さえ評価すれば建物は無視してもいい」という市場慣行があるためだ。これでは家を適切に修繕する動機づけにならない。 

 

 この慣行はまったく揺るがない。

 日経さんはそれに対して、

 

しっかりと維持管理してきたかどうかが中古住宅の価値に反映される仕組み 

 

 があれば良いとする。

 何だろう、原発も基準をクリアすれば40年過ぎても稼働して良い、とかそういう発想だろうか。

 

 現在、一番求められているのは、新築で住み心地が良く、家賃の安い「貸家」である。「持ち家」はその次にくる。ただし、「新築」であれば、だ。中古住宅を土地付きだからといって買う人間は少ない。理由は数多あるが、日本の土地がまだまだ割高だ、というのが大きい。であるにもかかわらず、不動産取引は「神話時代」のままである。割高でも土地が売れたのは、「土地は必ず上がる」という神話があってこそだ。

 売れないのならば貸し出して、せめて固定資産税くらいは稼ごうと考える。それが普通である。

 中古でも上物をきちんとすれば売れるはず、というのは、日経さんのおつむの中にもまだまだ「土地神話」が息づいてる証拠だろう。

 

 まあそのうち、「若者の車離れ」と同じく、「若者の土地離れ」が言われるようになるんじゃないかな。

 

 

【満願堂】 栗入り芋金  (6個入り)

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ほらやっぱりトランプと日経さんは同じ穴の狢だったろ?

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 社説を読んでて「笑ってしまう」というのは稀有なことだと思うが、日経さんの社説ではちょくちょくそういうことが起きる。

 

 米国のトランプ大統領が金融規制を見直す大統領令に署名した。オバマ前政権が金融危機の再発を防ぐ目的で導入した「金融規制改革法」(ドッド・フランク法)が主な対象だ。厳格化の方向だった米国の金融規制が、成長の促進に比重を置いたものへと変質していく可能性がある。

 私たちはリーマン・ショック後の金融行政について、過剰規制はお金の流れを滞らせ成長を阻害しかねないと主張してきた。そうした視点に立てば、複雑で厳しすぎるとの批判もあったドッド・フランク法の見直しそのものに、大きな違和感はない。

 今後は日本や欧州の金融当局との足並みも乱すことなく、広い視野で見直しを進めることをトランプ大統領に望む。

 

 ……だそうだ。

 以前に書いたエントリーで、

osaan.hatenadiary.jp

 TPPに賛成しようが反対しようが、トランプを「信頼」するあべぴょんも、あべぴょんを「信じる」日経さんも、同じ穴の狢である。 

 

……と書いたが、トランプもあべぴょんも日経さんも、同じ穴の狢であることがここにはっきりとしたわけだ。

 自分たちが儲かりさえすれば連続強姦殺人犯とでも取引きしかねない、日経さんとその仲間たちにはまったく恐れ入る。

 どうなれば彼らの目が覚めるのか?味噌汁で顔を洗わせても臭くなるだけで無駄だろう。トランプに「出てけモンキー」と言われて顔に唾を吐きかけられでもしたら、少しは思い知るだろうか。しかし、トランプはそんなことはしないだろう。なぜなら、同じ穴の狢であるトランプだって、儲かりさえすれば自慰中毒の猿とだって取引きしかねないからだ。

 

 

 

勝手な言い分を垂れ流せばそれが「説明」になるという風潮

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 進まない、とは言っているが、勝手に進んでしまっているのを止めるのは、今の日本の現状では難しいだろう。なんたって、連立政権内で常にブレーキをアクセルと踏み間違える、認知症ドライバーの公明党がいるんだから。日本で馬鹿げた法改正がなされることの責任は、ほぼ公明党にかかっている。自民党に「責任」を求めるのは、あべぴょんに知性を求めるのと同じく不可能だからだ。

 

 そんな無責任一大政党の自民党が重要法案が出すたびに、日経さんは何度もやさしく「説明を」と求めている。が、自民の口から流れ出してくるのは身勝手で非論理的な「言い分」ばかりだ。

 そして、日経さんはそのことについて、まったく批判しない。そのため、自民党は手前勝手な理屈を押し通せばそれが「説明」になると考え、また世間もそのように思い始めている。

 これを社会の「劣化」と呼ばずして、なんと呼べばいいのか。

 

 共謀罪の根本的な問題については他に譲るとして、不思議に思うのはここである。

 

 ただ条約の重点は本来、資金洗浄や人身取引などの組織犯罪に置かれている。

 

まさかカジノ法のときのような、駆け込み的成立を狙っているわけではなかろう。ここはまずは腰を据えて、分かりやすく説明していく必要がある。 

 

 まさかとは思うが、カジノが資金洗浄によく使われることをご存じないのだろうか。カジノ法では歯止めらしい歯止めが見当たらない、というか、カジノをやる限りは資金洗浄を完璧に止めることなどできないんだが。

 なんだろう、日本がどんどん先進国じゃなくなってゆくということ、そのことが抽象的な感覚ではなく、はっきりと具体的になって現れているように見える。

 

 

 

アジアを安定させる不安定な要因

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 あくまでアジアに「安定」をもたらしたいのなら、アメリカが手を引いて日中が友好関係を結ぶのが一番だがね。

 しかし、そうもいかないだろう。別にそれは、中国が人工島作ってるとか、ドゥテルテが騒いでるとか、そういうことではない。

 社説ではちらっとしか触れられていないが、

 

北朝鮮の核開発

 

 これである。

 その核はあからさまにアメリカのみに向けられたものだ。日本へはついでである。

 そして、そのことをアメリカに対して明瞭に提示できていれば、

 

今回は太陽に徹したトランプ政権が一転して北風を吹かしてくるかもしれない。 

 

 という心配も少なくなるというものだ。

 皮肉なことに、北朝鮮という悪夢のような国家の存在が、トランプ政権からの「北風」を防いでくれる、というわけである。

 

会見で対中政策について聞かれたマティス氏は「外交的努力に訴える」と語るにとどめた。

 

 とりあえず“狂犬”氏は冷静のようだ。それが、自分以上の“狂犬”の気配を感じてのことなら、なんという皮肉だろうか。

 

 断っておくが、私は北朝鮮マティスもトランプも、同類のカテゴリーに入れている。念のため。

 

 

日経さんにとって労働者なんてコストでしかないということか

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 なんかまた「カイカク」だそうで、なんで「カイゼン」じゃなくて「カイカク」かというと、そうそう一方の思惑だけにかなったものではないからだ。というか、絶対にそうしないという強い意思が感じられる。

 

成果をもとに報いる制度

 

技能の向上にともなって賃金が増える仕組み

 

残業を減らした結果として社員の毎月の賃金も減ってしまえば、消費が抑えられデフレからの脱却が遠のく心配もある。

 

毎月の賃金で成果を反映する部分を広げ、本人の努力次第で月給が上がるようにする手もある。

 

継続的に賃金を上げていくには非正規社員も生産性の向上が求められる。

 

パートの時給を職務経験や能力に応じて段階的に上げる

 

意欲を引き出す工夫を企業はすべきだ。 

 

……と、日経さんはおっしゃるわけだ。一見なるほどと頷きそうになる。しかしここには、給料を多く払うからにゃもっともっと働け、働くべきだ、でなきゃ給料なんぞ上げなくてもいい、という企業側の本音が透けて見える。

 問題はデフレの解決であって、こうしたマクロの状況に対応するのに、ミクロの理屈を延々と並べていては、全く前に進まないのだが。

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(おかしいな。ギリギリまで効率化したのに、どうしてスピードが出ないんだろう)

 

 ↑日本より「進んでる」ドイツですら、こういうのが問題になってる。

 日経さん、本音では嫌いだもんね、マクロ。でも日経さんが「信じてる」あべぴょんがアベノミクスなんかやってるから、日経さんもお付き合いしてんでしょ?やれやれ。

 

 

 

ガレー船徒刑囚の回想 (岩波文庫)

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嫌いなんでしょ?「人権」

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 あべぴょんはトランプのことが腹立たしくて仕方ないだろう。

 と言っても、それは世間の良識的な人たちと同じ理由からではない。

 自分がやりたいことや、こっそりとやってることを、おおっぴらにやりちらかしているからだ。

 しかもその余殃をくらって、TPPまでわやになってしまった。

 かといって下手に文句をつければ、根っこが自分と同類だから確実にブーメランとなって返ってくる。

 

人権に反するトランプ政権の言動にこそ、きちんとクギを刺すべきだ。 

 

 「人権」?

 あべぴょんに味方する「保守」の方々が毛嫌いしてやまない単語だ。実際あべぴょんもその概念を嫌っていることだろう。

 ならば「クギを刺す」なんてできるはずがない。

 トランプについてまっとうな批判をする、などということは現政権に期待などするほうがおかしいくらいだ。

 近々首脳会談があるということだが、またぞろ周囲の人間に深いため息をつかせる結果になるんじゃなかろうか。

 ま、それでもまた「保守」のセンセイ方が「成功だ!」とわめきちらして、支持率が上がったりするんだろうけどね。

 

 

エグゼクティブの「クギを刺す」技術

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