走らないウサギを追う必要はない
日経さんは「おかしい」とは言いつつも、何が「おかしい」のか具体的に示さないでいる。なので、二羽のウサギがどこにいるのか、さっぱり見えてこない。
問題は日経さんのいうウサギなどにはないことは明白だが、教育という制度の持つ問題について、どのような点を改めるべきなのか、ちょっと具体的に書いてみよう。
授業で先生が生徒に答えさせる。
「G君」
「はい、△●です」
「違います、ではH君」
「○●です」
「よくできました」
今も日本国中で同じ光景が繰り返されていると思うが、まずこの習慣を改めた方が良い。
教師は最初にG君が間違えた時点で、正解を教えるべきである。常に正解を語るのは教師だ、という立ち位置を揺るがせてはならない。
この時H君は満足を得るかもしれないが、G君はそれ以上に不快を覚えることだろう。
それに加えて、G君が間違えた際、教室に笑い声が起きたとする。
G君の授業への不快感はいや増すことだろう。
その時教師は笑い声を厳しく静止し、他人の振る舞いに対していたずらに笑うことをやめさせなくてはならない。
教室で笑っていいのは、教師がそう仕向けた時だけにする。
まずはこんなものか。馬鹿馬鹿しいくらいに簡単なことのように思えるだろうが、これは重要なことである。すでに気づいて実践している人もいるかもしれないが、ほとんどは昔のままだろう。子供が学校の勉強について「わからない」「つまらない」以前に「不快」を感じることを、このようにすることでかなり予防できるはずだ。
こうした部分から、教室に根強く残る「悪習」について、教師自身が自覚的になることが求められるべきである。
以上のようなことがおろそかなままなら、いかに愛国心やら道徳心やらを授業に注入したとて、まったくの無駄だと言える。
日経さんはなるたけ「中立」であるべく「配慮」しながら書いてるせいで、何か色々言ってるようで結局何も言ってない社説になっている。
そんな風だから、
こんなゆるゆるの社説しか書けないのだ。
なんなら、東芝の株価が今も200円を越えていることについて、
普通の人にも分かる言葉で説明してほしい。
もんだがね。
あべぴょんは北朝鮮にいっぱい感謝しないといけないね
不謹慎と思いつつ、つい吹き出してしまった。
先日、以下のようなエントリーを書いていたからだ。
皮肉なことに、北朝鮮という悪夢のような国家の存在が、トランプ政権からの「北風」を防いでくれる、というわけである。
第一次あべ政権のころ、「支持率が下がるとなぜか北朝鮮がミサイルを射ってくれる」という陰謀論めいたジョークがあったが、そのことを思い出した。
実際、北朝鮮がその存在感を示すことで、トランプからの日本への風当たりはグッと弱まることだろう。
もちろん、あべぴょんとじょんうんちゃんが水面下で繋がってるなどということはないが、「敵対的共犯関係」にあるのは確かだ。
北朝鮮の核の問題は、皮肉なことにどんな経済協力の約束よりも、あべぴょんに利をもたらすだろう。故に、北朝鮮という“狂犬”を、長いこと飼っていてくれた中国へも感謝しなくてはならない。
この「敵対的共犯関係」が崩れたなら、その時こそトランプの「北風」が吹き荒れることだろう。
本番はこれから
いっしょにお泊まりしていっぱい遊んで、幼稚園児なら「よかったねえ、楽しかったねえ」で終わるところだが、それだけでは済まないのが政治の世界である。まあ、オバマくんの時よりかは仲良さそうかな。
「個人的な信頼関係」というやつがリアルな政治でどこまで通用するものか、むしろ「保守」のセンセイがたの方が国際政治の歴史を語るときなど、とってもリアルに語ってらっしゃったと思ったが。
そういえば、プーチンのことは「ウラジミール」と呼ぶ信頼関係が築けてたんだっけか。でもそういうのって、官邸や外務省の垂れ流すよだれのような情報を、そのままマスコミが流してるだけなんだがね。
で、日経さんは、
避けなければならないのは、通商と安保を取引することだ。両国民に疑念を抱かれるような不透明な取引は結局、うまくいかないものだ。取引好きなトランプ氏とゴルフ場で何を話したのか。安倍首相は隠さず明らかにすべきだ。
とおっしゃるわけだが、まあ、こういう嫌な予感てのはよく当たってしまうものだよね。トランプと同じ穴の狢であるところの日経さんの懸念は、トランプもその腹のうちに同質のものを溜め込んでいると考えて間違いない。
あと、ゴルフ場で話したことなんか、何の役にも立たないから。聞くだけ無駄だよ。
企業様は少々おむずかりのご様子
株主と企業、どっちが大事かと問われれば、右顧左眄首鼠両端な日経さんである。
昨日は企業側にものを言ったので、今日は株主の番である。
日本企業が特に対応に苦慮しているのは、真意をつかみかねる提案だ。過去には野村ホールディングスの総会で「トイレをすべて和式にする」「取締役の呼称を『クリスタル役』とする」などの提案が出されたことがある。
こういう時、わかりやすく極端な例を出してユーモアを醸し出すのが、角を立てないコツである。総会屋がどうとか持ち出すのはゲテのすることだ。
まあしかし、最近はどこもかしこも洋式ばかりで、いざという時雉射ち・花摘みができないんじゃないのか。「お花摘み」はお嬢様用語のように言われているが、元々の意味は屋外で
閑話休題。企業の本音としては、株主は黙って株だけ買っててくれればいいというところだが、株式を公開するなら社会的な公器としてそれを表に出すわけにはいかない。
株主と企業が建設的な関係を築くためにはどうしたらよいか。それが多岐にわたる議論の出発点だ。
それより、株主&企業の「二人のため世界はあるの」的な日経さんワールドに閉じこもっていたら、「建設的な関係」とか言って何を「建設」するのやらわかりゃしない。
互いの欲望だけをぶつけ合っているのなら、周辺への影響は「破壊」のみで、「建設」などはどこにも成り立たないと思うが。
まあ、株主&企業とその代弁者である日経さんにとっては、それ以外の「民」なんぞはチャコールブリケットほどの価値もないんだろうけど。
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株主様がお怒りです
「のれん代」とはよく名づけたものだと思う。
この単語を聞いてイメージするのは、女衒が買い取った娘に「お前には莫大な借金があるんだ。体で返してもらうぜ」というやつである。女衒が金を払ったのは娘の親か、もしくは娘を面倒見ていた誰かであり、娘自身が借金を負っているわけではない。しかも勝手に多額の金を払ったのは女衒であって、娘はあずかり知らぬことである。
のれん代とはこの場合の借金のようなもので、買い取られた娘ならぬ会社から収奪することで回収することになる。
もちろん失敗することもあるわけで、ソニーの場合は娘にタチの悪いヤクザのヒモがくっついていたようなものだろうか。
低劣な例え話はこの辺にしておくが、M&Aと呼ばれるものが経済に「健全な」成長をもたらすとは思えない。
上手くすれば業務拡大の手間をなくすことができるわけだが、そうすることで会社の中に「やったもん勝ち」という浄化し難い空気が充満したなら、それは企業にとって良い未来をさえぎるものとなるだろう。
それが東芝の「不正会計」の淵源となった、という道徳の教科書のようなことは言わないが、こうした状況をもたらしたのは企業に利益のみを求める「株主」たちであることは確かだ。
有価証券報告書を丹念に読めば、減損についての経営判断を知ることができる。ある程度は損失発生のリスクを察知し備えることも可能だ。とはいえ、時間の制約があり経験に乏しい個人投資家の目に、減損の発表は唐突に映ることが多い。損失が巨額な場合は、企業や株式市場に不信感を抱くきっかけになりかねない。
やれやれ、担任にテストの結果についてねじ込んでくるモンスターペアレンツのような物言いだ。
日経さんにとって株主様が大事なのはわかるが、まるで右も左もわからぬ深窓の令嬢のごとく扱うのはいかがなものだろうか。
企業の株を買い、さらにそれを売ることで「利益」を得ようと考えるからには、生き馬の眼が何個抜かれようが当然と思わねばならないのではないか。
こんなことで怒る「株主」様とは、
↑こういうのと同類で、IRなんか手に取りもしないのだろう。
そういえばアンダーコントロールとかあったな
「新・三本の矢」の時のようにシレッと無視するかと思ったが、まだそこまで堕ちてはいないようだ。
とにかく、そろそろ6年にもなろうかという時期になって、やっとわかったメルトアウトな事態なわけだが、さすがにこれを隠蔽できるほどに「アンダーコントロール」ではなかったということか。
2号機の画像では、デブリの可能性がある堆積物のほかに1メートル四方の穴も確認できた。カメラを通した通路には推定で毎時530シーベルトと、人間が浴びれば1分足らずで死ぬ放射線量の場所があった。
撮影には7時間ほどかけ、安全に配慮してのべ63人が短時間ずつ交代してカメラを入れた。これだけでも大変な作業だ。
今ここで呼吸していられることを神に感謝したくなるほどの酷さである。
そして、現時点ではっきりわかっていることは、「とりあえず、手も足も出ない」ということだけだ。
政府と東電の工程表(ロードマップ)によると、今夏にもデブリの取り出し法を決め2021年に除去を始める。デブリの広がりや原子炉内の損傷によっては計画の軌道修正も迫られるだろう。
少なくとも、東京オリンピックまでは絶対間に合わないし、工程が遅れることはあっても早まることはない、というわけだ。
で、オリンピックまで、この産み落とされた「カグツチの神」が大人しくしててくれるのかどうか。
世界を見渡しても経験したことのない現象で、常に予想外の事態を覚悟しておく必要がある。
火の神カグツチを産み落としたイザナミは死んだが、そんな神話を再現する事態とならないかどうかは、まさに神のみぞ知るというところだ。
幸運を我が物のように語れば、その傲慢さが災いとなって返るのが神話の常である。
ただし、「アンダーコントロール」という傲慢さの報いを受けるのは、それを口にした輩ではなく、あずかり知らぬ無辜の民であるわけだが。
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最後の最後に若者が離れていくもの
これ、人口動態とか色々な問題が含まれているわけだが、
全国で空き家が急増しているように、住宅はすでに量的には足りている。人口に続いて20年ごろには世帯数も減少に転じることを考えれば、新規建設よりも既存住宅の有効活用へ、住宅政策の重点を大胆に移す必要がある。
という、日経さんの提言は満願堂の芋きんよりも甘い。
まず、既存住宅はもはや有効活用などできない。ほとんどが「不良資産」である。目黒、赤坂のような場所ですら、うっかり中古住宅を遺産相続したりすると、固定資産税に頭を悩ます仕儀となる。面倒だから売ろうとしても、これがなかなか売れない。
もちろん大地主やビル・オーナーであればその限りではないが、地方ではそれすらも不良資産となりつつある。売るに売れない山林や、外装がボロボロのままのビルなど、持てるものが頭を抱えている。
なのに不動産屋の頭の中には今も「土地神話」が息づいており、
日本では住宅の建物の価値は築20年を超すとほぼゼロになる場合が多い。かつての土地神話を背景に「土地さえ評価すれば建物は無視してもいい」という市場慣行があるためだ。これでは家を適切に修繕する動機づけにならない。
この慣行はまったく揺るがない。
日経さんはそれに対して、
しっかりと維持管理してきたかどうかが中古住宅の価値に反映される仕組み
があれば良いとする。
何だろう、原発も基準をクリアすれば40年過ぎても稼働して良い、とかそういう発想だろうか。
現在、一番求められているのは、新築で住み心地が良く、家賃の安い「貸家」である。「持ち家」はその次にくる。ただし、「新築」であれば、だ。中古住宅を土地付きだからといって買う人間は少ない。理由は数多あるが、日本の土地がまだまだ割高だ、というのが大きい。であるにもかかわらず、不動産取引は「神話時代」のままである。割高でも土地が売れたのは、「土地は必ず上がる」という神話があってこそだ。
売れないのならば貸し出して、せめて固定資産税くらいは稼ごうと考える。それが普通である。
中古でも上物をきちんとすれば売れるはず、というのは、日経さんのおつむの中にもまだまだ「土地神話」が息づいてる証拠だろう。
まあそのうち、「若者の車離れ」と同じく、「若者の土地離れ」が言われるようになるんじゃないかな。