支持率支持率と気にしすぎるのはポピュリズムの罠ではないのか?

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 なんというか、「プーチンくんのおうちに行ってなかよく遊んだよ!」というだけだった。一生懸命成果があったように喧伝しているが、ゼロどころかマイナスに終わった、というのが実際のところだろう。

 

個人的な関係づくりという意味では十分なほど会談を重ねてきたが、日ロ間の信頼醸成になかなか結びつかないのはもどかしい。 

 

 「信頼」ねえ。何度会っておしゃべりをしようが、ウラジミールとファーストネームで呼ぼうが、そんなものはまったくの無駄だろう。保守系の評論家センセイ方がよくおっしゃっていたではないか。「リアルな国際外交において、信頼など糞の役にも立たぬ」と。「保守」のあべぴょんがプーチンとの「信頼」によって外交をなそうとしている、ということは、あべぴょんには持ち札が何もないと言ってるようなものだ。

 まあ、外交でかっこよく海外の首脳と会談する様子を見せ、国内の「支持率」を上げるのだけが目的なら、その点についてだけ「成果」はあったと言えるのかもしれないが。

 

 ところで、この「支持率」というやつ、あんまり気にするのはポピュリズムを亢進させるだけではないか、と最近考えるようになった。

 だいたい、以前はこんなに支持率が持ち上げられることは少なかったように思う。確かに話題にはなっていたが、全てに優先するような重要事項としてではなかった。

 あまりにも支持率支持率と気にしすぎるのは、ポピュリズムの罠にかかっているようなものではないか。

 あべぴょんも「ぼくちんの支持率は高い」と二言目には口にしているようだが、だからと言ってさっぱり下がらない支持率について苛立つようでは、あべぴょんの思惑にはまっているようなものだ。

 たとえ支持率が高くとも、ダメなものはダメ、悪いものは悪いと指弾できるようでなければ、社会にはどんどんポピュリズムの毒が回ってしまうだろう。

 支持率さえ高ければ何で許される、などというのは、それこそまさしくポピュリズムなのだから。

 

 これから先、あべぴょんの支持率狙いを批判することはあっても、自分自身はあまり支持率について気にしすぎないようにしていこうと思う。

 

 

 

座敷犬、主人に吠える

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 国有地をただのような値段で譲渡するという、非常に「経済的」な犯罪について国会でやりとりがあるにも関わらず、日経さんの社説はずっと見て見ぬ振りをしたままだ。

 どこが日本「経済」新聞なんだか。まあ、産業「経済」新聞なんてのもあるから、そういうものなのかもしれないが。

 ところが、今回のまったく経済的でない、というか知性的ですらない発言については、いきなり自民党に吠えかかっている。

 

 自民党国会議員はなぜ2009年に政権の座からすべり落ちたかを思いおこすべきだ。長年の自民党政権に嫌気がさした有権者の「懲罰投票」だったとされるからだ(小林良彰著「政権交代」)。

 この国民にしてこの政府あり、と古人はいった。この選挙区の有権者にしてこの国会議員あり、などといわれては当該選挙区の有権者にとって迷惑千万だろう。

 われわれの懲罰の一票が集まれば何がおこるか、自民党は心しておいた方がいい。

 

 急にどうしたんだ、という感じだが、日経さんはご自分のところで調べた内閣支持率政党支持率について、どうお考えになっているのだろうか。

 もしかして、この社説を書いた人は「あんな数字は信用ならない」とお認めになっている、ということなのだろうか。それならそうと、はっきり書いてくれたらいいのに。

 

背景には安倍1強体制のおごりやゆるみがあるのは間違いない。野党が弱体で自民党内でも対抗勢力がなく、政権へのチェックが働かない。

 

 その一強体制が出来上がってしまったことについて、日経さんはご自身にはなんの責任もない、としらばっくれるおつもりか。

 さらに、「政権へのチェック」を野党にばかり任せ、ご自分ではさっぱり動くつもりがないようだ。

 マスメディアがそんな調子で、チェックは野党にお任せ、懲罰は投票者にお任せ、という態度では、あの政権が真摯に反省などするわけがないとわかりそうなものだが。

  「懲罰投票」なんぞときゃんきゃん喚く前に、ご自分が批判すべきを批判するのが先なんじゃないのかね。

 

 

室内犬の飼い方・しつけ方

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近時雑感

 また日経さんが座敷犬モードになって、わんわん無駄吠え社説ばかり書いているので、たまには雑感を書き連ねてみよう。

 

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 トランプのチンピラモード発動中なわけだが、習近平との会談中にミサイル攻撃がなされたのは偶然ではなく、まさに「狙った」ものだろう。

 真の標的はシリアではなく、こっちではなかったかと思えるくらいだ。

 そして今現在、北朝鮮を巡ってごたついており、西太平洋にはカールビンソンとかいう空母がのっそりとやってくるという。

 そんな最中、日米は二国間交渉を行う。

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 経済のゴリ押しについて、日本は応じない構えというが、果たしてどこまで通じるか。北朝鮮への恫喝は、こちらをスムーズにするのが本当の目的ではないかと勘ぐってしまうのだが。

 トランプは、高度な外交交渉などできはしないだろうが、チンピラヤクザの喧嘩のやり方なら承知している、ということだ。

 

 

www.huffingtonpost.jp

 非常に痛ましく、そしてやりきれない事件である。

 しかし、被害者が外国人少女である、ということに思い至る時、筒井康隆の炎上ツイートが改めて浮かび上がってくる。

f:id:osaan:20170415115626j:plain

 こうして並べてみると、「保守」が究極的に何を「欲望」しているか、このツイートが赤裸々に暴露していると言える。

 それは「保守」が表現規制に熱心であることとまったく矛盾しない。むしろ後押ししているとすら言えるだろう。

 そのことはベトナムの少女を襲ったのが、保護者会の会長であったことにまざまざと現れている。

 

 

www.jiji.com

 へー、そんじゃ『共産党宣言』でも大丈夫だな。

 どっかの学校で『共産党宣言』を朗読させても、

教育基本法等の趣旨に従っていること等の留意事項を踏まえた有益適切なものである限り、校長や学校設置者の責任と判断で使用できる」

わけだから、なんの問題もないはずだ。

 

 

高校生でも読める「共産党宣言」

高校生でも読める「共産党宣言」

 

 

すでに「勅語」は乱発されている

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 教育勅語と聞くと思い出すのが、『気分はもう戦争』という漫画だ。原作矢作俊彦、絵は大友克洋だった。

 その中のエピソードで、主人公(?)が中国人に「お前さんが日本人だというなら、教育勅語を言ってみてくれんか」と問われて「きょういくちょくごぉ!?」と眼をむいていた。問われた男は一応「右翼」という設定である。

 まあ実際、現代じゃ右翼だってそうそう憶えてやしないし、現総理だって言えやしないだろう。井上ひさしは憶えてたそうだが。

 

勅語は部分ではなく全体の効力を失ったと解すべきだ。道徳の教典として復活させてはいけない。 

 

 実際その通りだが、自民党議員の過半はそれを「道徳」ではなく、国民すべてが守るべき不磨の教典として復活させようとしている。

 あの馬鹿げた教育勅語暗唱の動画の不気味さから、それを「教育」の問題としてだけ語るのは、問題意識が足らない。

 あべぴょんの自民党が復活させようとしているのは、「勅語」の精神である。

 それは民主的な決定すらも、お上からの一言でひっくり返して、それを絶対とする精神だ。

 すでにその精神は連発される「閣議決定」の扱いに見て取れる。

 

 ただ閣議でそう決まったよ、という程度のことが、まるで重大な法律のように「忖度」を受けて活用されている。トランプの大統領令ですら司法からの拒絶を受けるのに、あべぴょんの「閣議決定」はまるでそのあり方が「勅語」であるかのようにメディアに流通している。

 それは民主的な過程を経ずとも、決定さえすればいかなる異論も許さぬ絶対的な決定であるかのように語られる。

 文科相の発言に「違和感を覚える」という生ぬるい認識の日経さんも、「十分な」審議やら説明やらを勝手に垂れ流せば政府の思い通りにしても構わない、という提言によってその流れを追認しているのだ。

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テロの真打が登場

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 失敗続きの北朝鮮のミサイルに対し、「こうやって射つんだ」とでも言わんばかりである。

 

 世界をどういう方向に導こうとしているのか。米トランプ政権のシリア攻撃からは包括的な戦略が見えてこない。 

 

 戦略など「ない」だろう。こういうのは考えた方が負けである。

 相手はこちらの予想をはるかに上回るほどの考えなしなのだ。身近にあべぴょんというモデルがいるのだから、とっくに了解していそうなものだが。

 まあしかし、それでもロシアに極秘で「ナシ」を通すくらいはしているとは思う…んだがそれもどうだろう。

 あべぴょんが日本から9条という枷を取り外し、やりたいのはトランプと同じような事である。今のところトランプよりあべぴょんの方が多少節度があるように見えるのは、現行憲法がまだ改悪されていないからだ。

 

 ことの発端はシリアが化学兵器をぶちまけたことである。

 アサドにどんな言い分があるか知らないが、これは紛れもなくテロである。

 テロとは非政治的な暴力組織によってだけでなく、国連に加盟しているような「国家」によってもなされるのだ。

 それは狂気を帯びた暴力によって、民衆の平和への歴史的希求を切り裂く行為だ。

 そして報復としてなされたアメリカによるミサイル攻撃も、そうした点においては同じ次元にある。

 アメリカの攻撃もまた、まったくのテロ行為だと言える。

 テロに対してテロで報い、テロを拡大再生産するアメリカは、紛れもなく世界最恐のテロ国家だと断言できる。

 かつてカミカゼという純粋なテロ行為をなした大日本帝国を讃仰する現政権が、アメリカのテロを「支持」するのは当然だろう。

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 このようなテロを積極的に肯定しながら、テロを予防するために「共謀罪」を作ろうなどとは、まったく片腹痛い。

 自民党が本気でテロのことなど考えていないことが、こうした点からも丸見えである。

 それとも共謀罪駐留米軍を取り締まり、日本から追い出したりするのだろうか?

 日本政府が「共謀罪」でなそうとしているのは、テロに対してテロで報いるその手法にのっとり、国民にテロをなすことだと言える。

 つまりは、日本国民こそが日本政府に対する最大のテロ予備軍だと定め、民主主義などという反政府思想によって政府を批判し、選挙で反乱を企てるなどということはテロと同じだ、というわけだ。

 オリンピックだの海外とのテロ取締りの連携などというのは、ただの取り繕いにすぎない。でなければ、あんなバカな法律を通そうとはしないだろう。

 

 

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教育勅語で全て解決、と政権は考えているのだろう

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 J.S.ミルは結婚して子供を作らないことが一番効率的だとした。

 子供を育て、教育することは、費用対効果を考えればなすべきことではないからだ。

 そうしたことは以前エントリーに書いた。

osaan.hatenadiary.jp

 これまで日本は、貧乏人の子沢山によって経済が、いや国家そのものが成長してきた。

 それは、「人間」そのものを使い潰すことを「是」とする思想によって成り立ってきた。

 資源のないこの国において、「人間」こそが資源だからだ。

 戦時中赤紙1枚で命を捨てさせられたことと、現代の過労死やブラック企業の存在は、日本おける国家のための「思想」によって通底している。そのことも以前エントリーにした。

osaan.hatenadiary.jp

 

 自民党が、いや、あべぴょんが考える国家有為の人材とは、「お国のために命を投げ出す」人間のことだ。

 未来に向けた人的資本などは眼中にない。「死ね」と言われれば「はい」と応えて素直に死んでゆく、そういう「人材」ばかりになれば日本は救われる、と本気で考えているのだろう。

 でなければ、教育勅語など復活させるわけがない。

 

ただ、日本には教育費を大盤振る舞いできるほどの財政的なゆとりはない。政府・与党は費用対効果の高い教育・人材投資の方策と、安定財源の確保策をセットで検討してほしい。 

 

 日経さんの憂慮は杞憂に終わる、とあべぴょんは考えているはずだ。

 「教育勅語を否定しない」と言えば、その意を汲んだ多くの学校が「忖度」を働かせて教育勅語を次々に導入するはずだからだ。

 教育勅語のキモは、親孝行でも夫婦仲良くでもなく、国のために命を捨てることにある。明示されなくとも、その意図は「忖度」されるようになっている。

 そうして日本人のほとんどが、貧しくとも文句を言わず粛々と死に赴く人間になった時、日本は政治家が経済成長などまったく考えなくてもすむユートピアとなるわけである。

 

 

 

愛のうた?ピクミンのテーマ

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北朝鮮がんばれ的なあべ政権

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 とまあ、日経さんがお書きになっているわけだが、現時点であべぴょん政権の命綱が北朝鮮のミサイルにある、ということが非常によくわかる。

 

 今現在森友関連の事件において、政権が被った一番の痛手は稲田ともみんの評価がガタ落ちしたことだろう。

 かろうじて辞任はしていないものの、このままなら首相後継候補などと言えば一笑に付されてしまうのは間違いない。

 そんな時に、北朝鮮からなにやら「飛翔体」が日本海に落っこちてる訳で、あべぴょんとしてはこれをテコにしてなんとかともみんの評判を回復させたい、と考えているはずだ。

 わかりやすい田舎芝居を打って、

 「やっぱり稲田さんはすごい」「顧問弁護士がどうしたとかは些細な問題だった」「稲田さんがんばれ稲田さんがんばれ」

 的な流れを作り出したいところだ。

 

 再三書いているが、あべぴょんと金正恩は「敵対的共犯関係」にある。

 お互いに無くてはならない存在なのだ。

 北の政権を弱体化させたいのなら、まず日本で政権交代させるのが一番効果的だ。

 そして新政権が親中的な外交を展開すれば、北の政権などたちまちのうちにしぼんでしまうだろう。

 

 

Yeah! めっちゃホリディ -J-POP charge Ver.-

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