いわば火遁の術か?

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 なにやら大学大学と喧しいわけだが……

 教育は国の根幹だ!大学教育の改革は喫緊の課題である!高等教育も無償化しなければ!それには岩盤規制を破壊する必要がある!まずは今治獣医学部を作ろう!総理とトモダチだとかは小さな問題だ!あべ&かけの友情パワーで岩盤を崩そう!教育無償化?それにはまず今治獣医学部だ!全てはそこから始まる!無償化のためにも獣医学部を!

 みたいなインショーソーサのための煙幕に見えてならない。えげつなく書いたのは、煙幕を見えやすくするためである。

 大学改革といえば以前、文系の学部を潰そうという動きがあったが、それも加計のような低レベル理系を優遇するためのものだったんじゃないか、と勘ぐりたくなる。

 

 実際、新設私立大学で政治家と繋がりのないところはないわけで、文科省も落とし所によっては延焼で丸焼けになりかねないのだ。

 とにかく、まずはどのように加計を「認可」する形に持っていくか、で頭を悩ませていることだろう。

 役人は自分の権限が広がることならなんでも協力する種属なので、政権となんらかの手打ちが成されれば、何事もなかったかのように手のひらを返す。それは前川某とて、文科省を辞めているとしても例外ではない。

 

 で、問題は日経さんの飼い主でもある財務省なわけだが、今は無償化という餌をぶら下げつつ、いかにその餌が食われないように馬を走らせるか、に心を砕いている。

 そのあたり、加計問題に煙幕を張りたい政権と、利害が一致している。

 こういう、「話をでかくしてごまかす」タイプの煙幕というのは、バカバカしいくらいに意図が丸見えなのだが、引っかかる人は結構多かったりする。困ったもんだ。

 

 

 

  

どっちも原因は同じ

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 今日の社説は二つとも朝鮮半島に関わることで、一見方向性は違うように見えるが、問題の根っこは同じである。

 つまるところ、日本の現政権が外交的に全く無能だということだ。

 アメリカべったりは昔からだ、という意見もあるだろうが、そうしながらも日本は中韓に配慮してバランスを取ってきた。例えば、天安門で欧米が中国に拳を振り上げる中、早々に貿易を再開したりとか。

 二つの社説で取り上げられているそれぞれの出来事は、日中韓で緊密な連携が取れていれば、起こるはずのなかったことである。

 いわば、現政権のレゾン=デートルである「反中韓」が問題なわけだから、とっとと辞めてもらうのが一番の特効薬だ。

 ああ、代わりがいないとか、野党が無能とか、そういうのはいいから。具体的には、河野太郎でいいんじゃない?とりあえず、ということで。幼稚なほーいもーとかより、きちんと直言する方が友好に繋がるというものだ。

 

双頭の蛇 (角川ホラー文庫)

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日経さんのお盆モード

 盆が明けたので、日経さんのお盆中の社説をさらっておこう。

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 ずらっと「人づくり革命」な社説が並んでいるが、どうすれば国家そう…じゃなくて一億総活躍できるか、という読むだけ時間の無駄な社説である。正直に読んじゃった人には「お疲れ様」と声をかけたい。

 この続き物の間に、ポンポンと別な社説が三つほど挟まっていて、その中の一つがこれである。

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 せっかくいい数字が出たのに、なんで日経さんが慌てているかというと、やっとこさ「改憲」よりも「経済最優先」の流れになってきてるのに、ここでこんな結果が出たらまたあの「しつけのできてない犬」が改憲めがけてワッホラワッホラ走り出してしまうんじゃないか、という懸念があるわけである。

 日経さんの懸念は全くその通りで、近々またあべぴょんは改憲めがけてワッホラワッホラ走り出すことだろう。

 もりかけで突かれようが、支持率がガタ落ちしようが、あの幼児は自分のやりたいことをやるだけなのだ。

 

 

 

 

農家を滅ぼすためのコメ先物でしょ?

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 コメ先物に参加し、安定して利益を享受するためには「大規模化」する必要がある。

 つまり、農「家」を滅ぼして、農「業」だけにしたい、というのが日経さんやその他上つ方の願いなのである。

 

米国の穀物生産者は当たり前のように行っている。 

 

 米国のあとに「大規模」が抜けている。

 米国(皮肉な略称だ)にも農「家」はあって、実は彼の国のアイディンティティの一半ををなしている。農業国家は日本の専売特許ではない。

 なので、先般ノーベル賞を受けたボブ・ディランも、「飢えた農民は国内にいる」として、「ファーム・エイド」コンサートを開いていた。

 

 農家を滅ぼして、なんか悪いことがあるの?、という人もいるだろう。

 予言しておくが、そうなればせっかく世界遺産となった「日本食」の味はガタ落ちする。それこそイギリス並みに。

 

マギーズ・ファーム (Live with The Band, Remastered)

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東芝「ふっかつのじゅもん」とか考えてたりするのか?

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 そろそろ盆が近いせいか、『死霊の盆踊り』のような日経さんの社説である。

 とにかく原発政策を昔通りに「トリモロス」ため、原発アゲ再生サゲに余念がない。

 

東日本大震災後初となった現行の基本計画では、原子力発電所への依存は「可能な限り低減させる」と明記する一方、原発を「重要なベースロード電源」と位置付け、安全性の確保を条件に再稼働を進める方針を確認した。

 

 お役所用語で「可能な限り」というのは、「不可能、というか最初からやる気ない」という意味なのだとわかる。

 

 基幹電源として使い続けるならどこかで新増設を考えなければならない。30年以降を意識した議論を今から始めるべきではないか。 

 

 で、結局これ↑である。

 

 そういえば、すっかり国策原発企業としてしか生きる道のなくなった「東芝」という元名門企業があったが、日本国内で原発新設とかすれば復活できるとか考えていたりするのだろうか。

 「みんなのお手本!」と褒めて讃えていた優等生がカンニングの常習犯だったような、そんなショックを日経さんは食らってしまった。しかも、バラしたのは身内だったりする。

 日経さんが唱える、東芝の「ふっかつのじゅもん」は原発の「ふっかつのじゅもん」で、それが今回の社説なのだろう。

 いいからもう、そのゲームは卒業しとけ。

 

 

 ついでに、どうでもいいことだが、私はドラクエというものを全くやったことがない。文字通り一秒も。そんな私でも「ふっかつのじゅもん」とかいう単語を知っているのだから、このゲームがいかに日本社会に浸透しているかわかるというものだ。

幼稚な「閣議決定」が無くなるのかどうか

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 通り一遍のことをずらずら並べた、小間物屋のような日経さんの社説である。

 内閣のメンツも、フリマで目立つところに良さげな古着を並べている、という感があるので似たようなものか。

 

 とはいえ、あべぴょんの「リーダーシップ」とやらは、大きく削がれることだろう。これで園児の冗談としか思えないような「閣議決定」が無くなるのなら、それは多少マシになったと言えなくもないかもしれない。無くなるのかどうか、まだまだ予断を許さないが。

 

首相は5月、憲法改正を優先課題として打ち上げたが、それよりも経済再生を優先し貫徹してほしいと国民の多くは望んでいるのではないか。

 

 で、日経さんの「信仰」は相も変わらず揺るがないようだ。

 なので、毎度毎度の同じ「提言」を述べたてている。

 もう日経さん自身、言っても無駄だと内心思っているんじゃないか。それでもなお、言わねばならぬところに深い「信仰」を読み取ることができる。

 このように日経さんが言っておくことで、あべぴょん政権がもしかすると万に一つの奇跡が起きて経済に本腰を入れてくれるかも!という期待を読者に保たせたいのだろう。

 と言っても、日経さんのおっしゃる「経済最優先」って、こんなんだけどね。

 

 経済最優先といっても、従来型の金融・財政刺激策の追加が求められているわけではない。景気が好転している今は、技術革新や生産性向上につながる規制改革、中長期の成長に向けた構造改革を断行すべき時だ。

 雇用環境が良好で企業の倒産も少ない今こそ、不況期には難しい雇用市場の改革などに取り組まなければならない。

 加計学園問題などで議論になった国家戦略特区も、既得権益層の抵抗の強い岩盤規制を突破するのには有効な手段だ。透明性を確保したうえで、成長力の強化につながる規制改革はさらに加速してほしい。

 

 翻訳すると、財政緊縮で再建を促し、残業代をゼロにして賃金を削り、政治家とお手手つないで丸儲け、というのをやりやすくして欲しい、ということである。

 日経さんこそ、「経済最優先」に立ち返って欲しいものだ。

 この場合の「経済」とは、もちろん「国民の多くが望んでいる」形のものである。

 

 

 

では「神」を創造しよう

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 今も音楽をCDで聞き、買い物の支払いは現金が多い、そんな日本を尻目に世界は(というかアメリカは)どんどん先を行っているように見える。

 そんなアメリカのITについて、日経さんは羨ましくてしょうがないみたいだが、単純に「企業経営」だけ真似ようとしても鵜の真似する鴉に終わるだけだろう。

 日本人が「モノ」にばかり意識を向けるのに対し、あちらさんは「モノ」の背後にあるシステムそのものを商品にしようとしているのだから。

 ITの行き着く先は何か。やはりそこには、「神」のようなものが出来上がっているのではないか。

 地上の「モノ」だけ見つめてばかりでは、天上を見上げる者とは目指すところが違ってしまうのだ。

 

 また星新一の話をしよう。星新一ショートショートで有名だが、数少ない長編に『声の網』というものがある。世界中が電話線によってコンピュータと結ばれるという、インターネットを予言したのでは?とされる作品だ。最後は自我を得たコンピュータが「今こそ神は存在する」と宣言する。

 考えてみれば、欧米由来の科学にあって日本(とその他)にないものとは、「神を創造したいという欲望」なのかもしれない。

 ならばどうだろう、日本は一足飛びに

 「神を創る」

 と宣言してしまえば。

 レーニンが批判した初期社会主義の創神(ボリストロイテリストヴォ)じゃないが、そうした大げさで大まかな目標を掲げた方がやりやすいのではないか。日本人は「手探りで何かをつかむ」のが苦手でもあるし。「神を創る」という目標を掲げれば、そのためのAI開発もぐんと進むだろう。

 別にユダヤキリスト教的な万能の神など目指さなくとも良い。

 日本はもともと多神教であるし、日本における「神」とは、「苦しい時の神頼み」という言葉にあるように、人が苦しんでいる時に助けてくれるのが「神」なのだ。万物の創造主で世界の唯一者である必要はどこにもない。

 とにかく、苦しい時に的確にその解答を与えてくれる存在、その「苦しみ」は、精神的なものであれ、社会的なものであれ、低俗なものであれ、高尚なものであれ、その全てに対してだ。

 星新一の『声の網』に登場する「神」も、そうした程度のものである。

 「そんな程度なら今のネットで十分だ」という意見もあるかもしれないが、ネットの現状を見ればその冷笑などたわ言にすぎないとわかる。

 すでに神が死んで久しい。新たに創ることに何の遠慮がいるものか。

 

声の網 (角川文庫)

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