へっぴり腰であらぬ方向へ吠えてみせる日経さん

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 やっと書いたかと思ったら、随分腰の引けた社説である。威勢が良いのはフリだけ、というのは中身を読んでみればわかる。

それが相次ぐ不祥事の背景にあるのなら、複数の事業を抱えるコングロマリット型の会社の形を見直し、各事業部を独立させるのも一案かもしれない。 

 

 えーっと、日経さんならもっと突っ込んだことが書けるはずだよね?

 ていうか、ダメな企業でもなんとかして延命させたい、という意図が見え見えなんだが。

 潰さない理由として、東芝原発があったが、神鋼はなんだろう。

 社説にほんの一箇所触れた部分がある。

 

政治資金規正法違反などを繰り返し 

 

 ちゃんと隠さず書いたことは褒めておこう。

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神戸製鋼兵庫県加古川市高砂市山口県下関市の各市議会議員選挙と、兵庫県議会選挙で、同社の労働組合が推薦する候補の活動を支援してきた。1995年と2000年に政治資金規正法が改正された後も、後援会の事務所設営費用や人件費の一部肩代わりを継続。社内調査の結果、2001年度以降、8回の選挙で総額2700万円の肩代わりが判明したという。

 

 「山口県下関市」ねえ。そういえば誰かの地盤だったな。

 神鋼は某総理が昔働いていたこともあり、今もその繋がりは強い。

 日経さんが「不正のデパート」と呼びたくなるような状況になるまで、さっぱり姿勢が改まらなかったのは、その辺りにも原因があるのではないかな。

 掘り返したら加計どころじゃないような気もするが、誰も掘らないんだろうな。日経さんはあらぬ方向を向いて吠えるばかりだし。

 

 

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慢心は禁物だ、と日経さんは瞞着する

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 現在の東証の株価に信を置くのは、よっぽどのお人好しだけだろう。……と思うのだが、現在の日本は「よっぽどのお人好し」だらけになっているように見える。

 

日本市場では、日銀の上場投資信託ETF)購入によって株価が支えられている点を忘れるわけにはいかない。実力以上の株価がついている企業も散見される。

 

 「散見」ねえ。

 こういうテーマで書くんなら、外せないことがあるんじゃないのかな。

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 何があっても日銀が買い支えるという状況は、企業から自浄能力を奪い、市場を歪ませていくだろう。

 そんな日本の市場に

 

保有株の値上がりで余力が生まれた外国人投資家が、日本市場に資金をふり向けているという構図だ。

 

 などというアホな「構図」が続くのなら、結局リフレは再度日本の社会を腐敗させるものでしかなかった、ということになる。

 最初の一度は高橋是清によって悲劇がもたらされ、二度目は、もはやすべりまくりの芸になぜか観客がヒステリックに笑うだけ、という、末期的な笑劇となっている。

 

 今回のリフレでよくわかったことは、よほど有能な為政者の元でないと、リフレは成功しないということだ。

 何度も書いているように、「アベノミクスの最大の障害は安倍晋三」なのである。

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「現政権は自民党の追い風になるように株価を支えたいのではないか」

 

 都議選の時のこれを見てもわかるように、もはや株価は政権の人気取りの道具でしかない。

 

 「なんでもいいから儲かりゃいいんだよ」という風潮が瀰漫するなら、二言目には「経済経済」と騒ぎつつ日本は負のスパイラルに落ち込んでいくことだろう。

 はっきりしていることは、そうした「負のスパイラル」に対して、日経さんは有効な言論を持つことができない、ということだ。

  

 

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最低の選挙に最低の社説

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 なんか言ってるんだが、日経さんは増税と福祉削減が目標なわけで、それには自民党が一番!という立ち位置は、死んだオオアリクイのようにピクリとも動かない。

 ボクちゃん総理のわがままで解散して、ヤジから逃げ回りながら選挙活動とか、歴史に残るみっともなさだが、選挙の結果はさらにみっともないことになるだろう。今から憂鬱だ。

 

 さて、それより日経さんは社説で触れるべきことがあると思うのだが……

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 まさか社説で何も言わずに済ます、などということはないと思うが、あべぴょんの古巣企業なだけに、あべぴょんを神鋼、いや信仰する日経さんとしては、頭を抱えていることだろう。

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 株価なんぞ心配してる場合かね。

 

 

 

 

実はみんなわかっているのだ「左が正しく右が間違っている」ということを

 ネットを回遊していると、「ネトウヨ」という単語にちょくちょく出くわす。ネットで右翼的言説を主にする人たちに対する呼称で、おおよそは侮蔑的な文脈で語られる。そう呼ばれた方は「俺は中道だ」「私はただ日本が好きなだけの普通の日本人だ」などという。

 しかし、もし「ネトウヨ」なるものが常に正しいことを言っているなら、たとえ侮蔑的な文脈で語られるとも、なんら恥じることはないだろう。対して「ブサヨ」という左翼に対する侮蔑的な言葉もあるが、そう呼ばれて「俺は中道だ」云々と言い返すのは、ほとんど見たことがない。

 こうした非対称性は、実はみんな右翼的な言説が「間違っている」、という認識を薄々共有しているからこそ起こる現象であろう。

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 そんなわけで、人気取りには左翼的な、リベラルっぽいとされる言説の方が効果がある、ので社説のような事態になった。

 日経さんは「無責任」と詰るわけだが、どうせ人気取りだけで本気で取り組むとかノミのすね毛ほどにも思っちゃいないから安心するといい。日経さんが信じる安倍ぴょんが、口先だけ「女性が輝く社会」だの「同一労働同一賃金」だの騒ぎ立てるだけで、全力でその場で足踏みしているのを見ればわかるだろう。

 そういえば「安倍政権は中道左派」などという評価も目にした。これなんかも「実は左が正しい」と考えている証左であろう。

 

 それなのになんで右傾化してしまうのかというと、

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 みんな安っぽいドラマが好きだからだ。

 クラス委員が正しいことを言うよりも、ワルが正しいことを口にした方が、そこにドラマが生まれて興奮するのである。そんな安いドラマが好きなくせに自分のことは「リアリスト」だと自称したがる。

 ワルは所詮ワルでしかない、というリアリズムは、リアリストのお気に召さないのだ。

 

 

水戸黄門 天下の副将軍
 

 

現時点で福一廃炉は「無理」ということ

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 政府と東電が工程を遅らせることに慎重なのは、廃炉の進み具合が住民の帰還計画や地域経済に密接にかかわるという事情もある。

 日経さんは自民党政府と東電に対しては、徹底的に「性善説」でしか語らないので、その理由に無理がある。「無理がある」のは「嘘がある」ということでもある。

 

 新工程表の日程に無理があるんじゃないかとか、運河のない頃の地中海航路のような、日経さんの遠回しな表現から読み取れるのは、現時点で福一廃炉は技術的に「無理」だということだ。

 それをさもできるかのように言い立てるのは、再稼働をスムーズにしたいという、ただそれだけの理由である。元住民のことを考えているのなら、もう少し他にもやるべきことがあるだろう。

 

 現実主義者を名乗る人たちが、この現実から目をそらすのに必死な様は、寝小便を汗だと言い張る幼児のようで、その言い分を受け入れるにはかなり「無理がある」ということだ。

 

 

 

選挙が終わったら自民党と「アウフヘーベン」するんじゃない?

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 エネルギー政策では「2030年までの原発ゼロに向けた工程表づくり」を柱に据えた。代替電力の見通しやコスト増など経済への悪影響をどう抑えていくのかという戦略を詳しく聞きたい。 

 

 脱原発を謳うからには、日経さんにとって「敵」認定されるということか。

 そんなに心配しなくても、選挙が終わったら「なーんのこっちゃい」と白けた結果が待ってると思うが。

 アウフヘーベンに「大政翼賛」の意味がある、と閣議決定(笑)されたりするんじゃないのかね。ヘーゲルもびっくり。

 長く全体主義者呼ばわりされたヘーゲルは、近年革命者として再評価されてるんだけどね。

 

 もはや頼みは共産党だけか。わかっちゃいたけど、他の人がどのくらいそれをわかっているのか。ため息しか出ない。

 

アウフヘーベン

アウフヘーベン

 

 

 

 

日本の政治が「あべぴょん化」している

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 ちょっと前に書いたエントリーで、

小池が意図してやってるのかどうかは、まだはっきりとはしないが、もし日本ファなんとかが近い将来反原発だの消費税減税だの言い出したら、眉にたっぷり唾を塗る必要があるだろう。 

  と書いたら、本当にそう言い出した。

 間抜けな脚本とダサい演出の舞台を見せられてるようで、こっちは辟易していても舞台上は大盛り上がり、というところか。

 政治のレベル低下は、やはり低レベルの人間がずっとトップにおさまっていることに問題があるのだろう。日本の政治全体が「あべぴょん化」している。

 もちろん、あべぴょんを「信じて」やまない日経さんも、「あべぴょん化」から逃れられてはいない。

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 権力政治家として、国政への足場づくりは今が勝機とみて勝負に出たとして、それ自体を否定するものではないが、ここでもなぜの疑問がぬぐい去れない。

 

政治的な影響力を保持するため、生き残りをめざすため、権力を求めるため、政治家が行動するのが悪いといっているのではない。政治のリアリズムを認めるのは、やぶさかではない。

 しかしそれだけで行動されてはそのときの風や空気に流され、長い目で見た場合、有権者が選択を誤るおそれがある。大事なのは政治の旗印であり政策論である。

 

 この部分だけ抜き出すと、まるであべぴょん批判のようだ。

 つまり、やってることは同レベル、ということである。

 結局、野党も与党も、そして日経さんも、仲良く「あべぴょん化」してしまってるわけで、こういうのって大政翼賛とかいうんじゃないの?

 ただし、喜劇としての。

 さらに、すべりまくりの。

 

 

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