もはや「ハチ公」のレベルとなった日経さんの忠誠心

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 標的に向かって空砲を撃ってドヤ顔する、というのはどんな身振りなんだろう。

 ともあれ、この社説からひしひしびしびしと伝わってくるのは、日経さんの揺るがぬ「信仰心」である。

各府省庁は4月から新たな文書管理規則の運用を始めた。意思決定過程の検証に必要な行政文書の保存期間は「原則1年以上」に改めた。防衛省は日報の保存を1年未満などから「10年」に統一。安倍晋三首相は各省に決裁文書の電子化の徹底も指示した。

 だが制度改正はなお不十分だ。公文書管理法に罰則規定を盛り込み、公文書の定義や保存のルールを政府内でそろえて徹底する必要がある。国立公文書館に資料調査や提出を指示する権限を与え、政府全体で情報の保全と管理を徹底する方法も有効だろう。

 

  泥棒に自分を取り締まらせようというのだから、日経さんは本気であべぴょんを守り通すおつもりらしい。

 飼主がピンチの時こそ忠誠心が試されるということだろうが、雨ざらしの犬の目をした佐川くんを超え、日経さんの信仰はもはや石像となっていかな嵐にも揺るがなくなった「ハチ公」の域に達したようだ。

 

 ここでちょっと気になるのは、日経さんの「上つ方」の意向である。

 あべぴょんが辞任したら、「アベ」ノミクスが崩壊して相場がえらいこっちゃになって、日本経済がとんでもないこっちゃになるぞ、という脅し文句に、本当にビビっているのだろうか。

 それとも、大枚はたいたマルチの健康食品がとてつもない腐臭を放っているのに、高かったんだから勿体ないといつまでもキッチンに置きっ放しにしているような、そんな心境なのだろうか。 

 

第10話 ハチ公前、夜8時
 

 

叱るフリだけでどこまでも許す日経さんの愛

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 よくもまあぞろぞろと。このようなことが連続するということは、常習的に隠蔽が行われているということであり、またこれもたまたま判明した「氷山の一角」でしかないということなのだろう。

 日経さんは相変わらず、厳しいフリをしつつも子供を甘やかす母親のように、政権に対して「苦言を呈する」にとどめている。

 イタズラ坊主に笑顔で優しく「ダメよ〜そんなことしちゃ〜」と諭しているようなもので、悪ガキは一向に反省することがない。

 子供の個性を尊重する教育に対し、あべぴょんは「愛国心」で塗り固めようとしているが、自分自身はわがまま放題が許されると考えており、日経さんもまたそんなあべぴょんが可愛くて仕方ないようだ。

 

 本来こうしたことは、保守の側、とりわけ自由主義を奉ずる人間からこそ、激烈な批判が上がって然るべきはずだが、日経さんはあべぴょんに関する限りにおいて、自由主義なんてどうでもよくなってしまうらしい。

 実は日経さんは自由が嫌いなのだろう。

 そして、その読者たちも。

 

自由からの逃走 新版

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「書き換え」を「改ざん」にした日経さんの安堵

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 日経さんが「書き換え」の表現を「改ざん」とした。NHKもまた足並みを揃えている。

 どうやら政府の関与は無しということで押し切れそうだ、とどこかの誰かが安堵し、日経さんもまたそれに倣って胸をなでおろしたのだろう。

 

 日経さんのアッキードについての書きっぷりから伝わってくるのは、日経さんご自身ではこの問題について一切自発的な調査はしない、ということだ。

 政府に「何とかしろー」と言っているようで、小声で「がんばれー」と言い添えている、という感じだ。日経さんは苦言を呈しつつも、決して「内閣は退陣せよ」とは言わない。

 

 雨ざらしの犬のような目をした佐川くんは、国家への愛着よりも政権への忠誠を優先した。

 先日の田舎芝居のような証人喚問について、疑問点は他所で出揃っているので、ここで繰り返すようなことはしない。

 不思議に思うのは、籠池が証人喚問を受けた時、どうして同じように口をふさがなかったのか、ということだ。

 おそらくは佐川くんに提示したのと同じく、その後の人生を優雅に暮らせるだけの見返りによって、その「忠誠」を「買う」ことはたやすくできたはずだ。

 やらなかったのは、あべぴょんという男の人間の器がヒアリのふんよりも小さい、ということに起因している。

 変に相手を大きく見積もるのは、思うツボという奴である。

 あべぴょんが通常の器の持ち主なら、すでに問題は片付いていただろうし、だいたい最初からこんなことに足を突っ込むこともないだろうからだ。

 この低劣な混乱に対し、公文書改竄などという「重罪」を惹き起こしたことそのものが、すでにあべぴょんが「総理の器ではない」ことを如実に現している。

 

完全版 佐川君からの手紙 (河出文庫 か 1-1)

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日経さんが社説のタイトルを入れ忘れている

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 変なタイトルだと思ったら、入力してないので最初の文章がそのままタイトルにされている。あとで入れようとしてうっかり忘れたのだろう。日経さん大丈夫?

 

 で、内容の方だが、ほとんど殴り書きのようで社説の態をなしていない。

 あべぴょんが改憲だけを目指しており、その他のことは全部「やってるフリ」で済ませているのは、この5年間で十二分にわかっているはずだが。

 

 緊急事態条項が新設されれば、首相の裁量の範囲は非常に広くなる。安倍首相にそんな大きな権限を与えたくない。そんなふうに思われない政権でなければ、改憲はおぼつかない。 

 

 「安倍晋三」の名前がテレビで流れると、その場で万歳三唱が義務付けられている日経さんとしては、これが精一杯の「苦言」なのだろう。

 

 

21世紀の健忘症患者

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ただ小便ひっかけたいだけだから

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 こういうことをぐだぐだやっているということは、あべぴょんはまだまだ居座る気満々で、自民党もその首に鈴をつけられない状態だ、ということである。

 あべぴょんはこうした議論のことなど、寸分も理解できていないだろう。

 なので、こうしたことを平気で口にするのである。

 

 もうひとつ指摘しておかなければならないのは、首相が自衛隊明記でも解釈は変える必要がなく、国民投票で否決されても自衛隊合憲に変わりはないと説明している点だ。これでは何のための自衛隊明記なのか訳が分からない

 

 とにかく憲法を「改竄」するために、最初に小便をひっかけたいだけなのだ。

 

 現在、総理在任期間が一日のびるごとに、日本の歴史が汚辱にまみれているのである。

 あべぴょんの小便をありがたがって飲んでいる日経さんには、良く理解できないのかもしれないが。

 

いざとなったら尿を飲め―尿療法入門

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過剰なへつらいは逆効果という「寓話」

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 何を今更というか、トランプがそうすることはわかっていたことだ。むしろ米朝対話の方が驚きである。

 それに付随して出された、一つの「公式」の談話が波紋を呼んでいる。

「『アメリカに長い間つけこんできた』とほくそ笑んでる」トランプ大統領が安倍首相を名指しで批判 | BUZZAP!(バザップ!)

 

 過剰なまでのへつらいは、時に逆効果だという、一つの「寓話」ででもあるようだ。

 対照的に、対中制裁について中国からは、教養に裏打ちされた返答がなされた。

id.fnshr.info

 こと外交に関しては、日本と中国では子供と大人が将棋をしているようなものだった。あべぴょんが政権を握ってからは、「子供」が「幼児」になり、さらに差が広がってしまった。

 その辺の認識の差については、日経さんもご同様である。

 

そもそもトランプ大統領の貿易政策には根本的な誤りがある。

 一つは対米黒字が大きい国は市場が閉鎖的だと断じて、黒字減らしを求めていることだ。2国間収支と市場開放度は基本的に関係ないにもかかわらずだ。

 2つ目は環太平洋経済連携協定(TPP)から撤退したことだ。TPPは知的財産権保護や国有企業への優遇措置禁止を盛り込んだ質の高い自由貿易協定である。これを世界的なルールに広げていくことで中国が不公正な慣行を変えざるをえなくする狙いがあった。

 

「一つ」と「2つ」と数字の表記が乱れているのは、よっぽど動揺したからか。

 動揺ついでに、この2つも整合性が取れていない。

 まず、日本はアメリカとのFTAを迫られており、それに対しては「いやいや」をしている状況だ。日本はどうしてもアメリカをTPPに参加させようとしていて、トランプはそれに対して「アメリカの条件を良くするなら考えなくもない」と応えている。

 TPPが日経さんの言う通りの「ちゅーごくほーいもー」であるなら、トランプの対中制裁などを云々するのは無意味である。

 「対中国」に重きを置くなら、むしろ日本はアメリカのFTAに応じた方が効果的だからだ。「対中国を言うんならとっととFTAやったれや」くらいに、トランプは苛立っているだろう。

 TPPを「ちゅーごくほーいもー」として語ることは、TPPの「不自由さ」の現れてであり、その意識高い系の理念が虚妄であると白状するようなものである。

 直感だけで動くトランプは、TPPを“a little smile"のようにうさん臭く思っているのだろう。

“ I’ll talk to Prime Minister [Shinzo] Abe of Japan and others, great guy, friend of mine, and there will be a little smile on their face and the smile is: ‘I can’t believe we’ve been able to take advantage of the United States for so long.’ So those days are over.” 

 

nypost.com

 

 さてさて、四月の訪米はどうなることやら。

 その前に、明日オバマが来るんだっけ?

 

礼記 (中国古典新書)

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アベノミクスの問題点についてだらだら書いてみる

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 某クルーグマンも、アベノミクスの正しい呼称は「クロダノミクス」だと言ってるくらいで、ハルヒコくんの孤軍奮闘ぶりにはとりあえず「お疲れ」と言っておきたい。コスプレして改憲踊りしてるやつと二人三脚してたんじゃ、さぞかし消耗したことだろう。

 

 さて、巷間では「アベノミクスが失敗したのは消費税を上げたせいだ」「消費税増税反対」の声があるが、アベノミクスとは元々消費税増税を目的とした政策である。でなければ、増税積極推進派のハルヒコくんが協力するわけがない。

 だいたい、戦前と似た「禁じ手」を日銀が使うなら、時をおかずに増税することが必要になってくる。

 本来なら、この場合の増税とは直接税であるべきであり、現代でのそれは累進課税の強化である。

 そのことは戦前に高橋是清がリフレを行った時、税の増収を間接税に頼ったため、うまくいかなかったことを見てもわかる。

 是清は周囲から直接税の増税を進言されたが、「そんなことをすれば左翼を喜ばせるだけだ」という、アホみたいな理由で却下している。

 そのため社会にとんでもなく格差が広がり、それが軍に付け込まれるスキを生んだ。

 どうすればよかったかといえば、直接税を増税して増収分を福祉などで再分配すべきだったのだ。

 すでに「トリクルダウン」とかいうのは妄説の類とされているが、そんなことは昔の事例を見ればとうに自明のことである。

 アベノミクスは、消費税増税を目的としていることが、そもそもの間違いなのだ。

 アベノミクスと消費税は別物のように語る人もいるが、それは詐術の類だと考えて良い。

 リフレ政策において、同時期に政府が強引な再分配を行わなければ、格差が拡大して固定化し、社会が不安定になってしまう。

 そうして格差が「階級化」することは、あべぴょんの望むところなのでそのようにしているのかもしれないが、思ったほどインフレにならなかったのが誤算だっただろう。その辺はハルヒコくんも同様である。

 インフレになれば、その火を消すために消費税を増税することができて、それはすんなりと受け入れられたはずだからだ。

 インフレにならなかったのは、「三本の矢」とかいうのがさっぱりだったからだ。(要因は他にもあるが、ここでは述べない)

 また仮に都合よくインフレになったとしても、それに消費税増税を当てるのは、今以上に急激な社会格差をもたらしたことだろう。

 結局は何度も言うように「アベノミクスの最大の障害は安倍晋三」なのである。

 

 それから、失業率の低下を持って経済政策の成功を口にするものがいるが、それは逆に格差の拡大を固定化するものである。その問題は戦前にも起きており、高橋是清も演説でそれを改善する必要を口にしている。

 低い潜在成長力のもとでは、格差の解消にある程度の失業率が必要になってくる。

 格差を縮めるためには、低賃金での酷使を避け、「食えるだけマシだろ」とされる階層をなくさなくてはならないからだ。

 そして失業者には、国家が増税して(もちろん直接税)、その面倒をみることが必要とされる。

 でなければ格差が固定して「階級化」し、日本という国家の存在そのものが危うくなることだろう。

 ま、それがお望みの方も多いようだが。

 

二人三脚

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