裏口のそのまた裏口の印象操作

 裏口入学というやつは、だいたい合否線上にいるやつだけ受け付ける。

 カネを預かって、当の学生が見事合格したら、そのカネを自分のぽっぽに納める。

 不合格だったら、「力及ばず申し訳ありませんでした」とカネを返す。

 裏工作とか、面倒なことは何もしない。

 政治家秘書のよくある小遣い稼ぎだそうだ。

 バレても犯罪めいたことは何もしてないので、せいぜい「預かった」カネを相手に返しておしまいである。

 そんなことは警察もわかっているので、滅多に捜査なんかしない。

 以上は、知人が某大物自民党代議士の秘書の息子と結婚した際、耳にした話である。秘密めかさなくても、多くの人が知っていることと思う。

 

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 今回の件、上記のような原始的ものではなく、裏口にはっきりと贈収賄の条件が残っているという、まったく稀有な例と言える。

 そして、これが贈収賄の条件を満たすのなら、モリカケだって似たようなもんじゃないか、と普通は考えるわけだが、検察はそっちの方にはまったく食指を動かさないだろう。

 そこで「保守」の人たちはこう声をあげるはずだ。

 「東京歯科大の件はきちんと逮捕されたが、モリカケはまったく引っかかっていない。やはり野党と朝日のから騒ぎであって、なんの問題もないものだった」云々。

 幼稚な印象操作だが、幼稚である方が人々は印象を操作されやすい。

 

 検察は珍しくきちんと仕事をした。

 だからといって、他でサボっていることがチャラになるわけではない。

 だが、「印象」としてチャラにしてしまえば、他の「印象」もチャラになってしまう、そんな反知性的(本来の意味で)な事態に陥らないことを願うばかりだ。

 

憧れと印象操作

憧れと印象操作

 

 

地方の人口減は生活保護倍増でしか救えない

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 経済の野放図な自由化と福祉の削減などの財政「健全化」を進めれば、都市部に人口が集中して地方自治体の人口が減少するのは当たり前である。

 それは少子化と原因を同じくするものではあるが、決して少子化を原因とするものではない。

 

 だいたい、なぜ都市へと人口が集中するかといえば、田舎では職がなくて食っていけないからだ。

 土地に我が身を縛り付けた農民が、出稼ぎに出ては盆暮れに帰郷していた時代はとうに過ぎ去り、土地などはなまじ持っていても負担になって、「負動産」などと呼ばれるご時世である。

 こうした流れを防ぐにはどうすればいいか。

 とりあえず、職が無くても土地があれば食えるようにしてやることだ。

 手っ取り早くいうなら、地方での生活保護を綿密な形で倍増してやればいい。

 生活保護は都市から田舎への再分配であり、種まきでもある。まいたタネが成長したなら、都市がそれを収穫してさらに成長できる。

 

 都市と田舎がそのように「成長」を往還させることで、国家そのものもまた成長できるのだ。

 都市ばかりに集中すれば、その過程において都市は成長できるが、やがて死に絶えた田舎から収穫するものがなくなる。それは己の息の根をとめるのと同じだ。

 

 日経さんは収奪型の経済がお好きなようだが、もはや日本の社会は焼畑農業が続けられるほど豊かではない、と知るべきだろう。

 

 

Burning Farm (焼畑農業のうた)

Burning Farm (焼畑農業のうた)

 

 

トランプをTPPに引きずりこむ簡単な方法

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 結局日本にとって、TPPというのはアメリカ目当ての制度であって、アメリカが参加してくれないことにはどうしようもない、というか、どうすればトランプが気を変えてくれるか、というのが一番の問題なのだ。

 

 日本はメキシコに続き、2番目に国内の手続きを終えた。残り9カ国のうち4カ国以上の手続きが完了すれば、60日後に発効する。参加国は早期発効を目指し、必要な対応を進めてほしい。 

 

 ついこないだトランプは、「メキシコの移民を送りつけてやるぞ」という改めて脳力の低さが思いやられる発言を、さらに下回る脳力の持ち主にしていたわけで、

 

実際、タイやインドネシア、韓国、台湾、コロンビアなどが新規加盟に関心を示しているという。

 

 この辺りの面子に関わる「事情」などを鑑みれば、普段トランプが喚いたりやらかしたりしてることと、TPPは真逆のベクトルを持つことがわかる。

 では、どうすればいいか。

 ほんの一瞬だったが、トランプが「TPPについて考え直して見てもいいかも」と口にしたときのことを思い出してみればいい。

 あの少し前に、なぜか中国がTPPに関心を寄せている、との報道があった。

 

中国の国家資本主義に対抗する力も増すだろう。

 

 一応、TPPは「ちゅーごくほーいもー」である、というのが日本の右派にとってTPPを肯定する根拠になっている。実は、これがトランプに無視される要因にもなっている。

 なので、まずそれをひっくり返してしまうことだ。

 中国をTPPに入れてしまえばいい。

 いや、実際に入れなくとも、「中国がTPPに秋波」「日本はそれに対して前向き」などのフェイクニュースを垂れ流してやれば、たちまちトランプは飢えたメカジキのように釣り上げられるだろう。

 トランプが中国と貿易戦争に入りつつあるのだから、TPPの「空席」を中国が埋めようとしている、ということになれば、大慌てでその席に自分が座ろうとするに違いない。

 

 「んなアホな」と思うかもしれないが、トランプは想像を絶するほどのアホなのだ。

 その点において、あべぴょんとタメをはれる数少ない国家元首なのである。

 

 

USBメカジキ4G

USBメカジキ4G

 

 

果たして自衛隊とはいかなる存在か

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 この事件の第一報を耳にした時、以前同じような事件が起こったことを思い出した。

 「元自衛隊員が」

 「刃物で」

 「交番を襲い」

 「警官を殺傷し」

 「拳銃を奪った」

 これらの事項が共通する事件は、練馬区の中村橋で起きている。

 平成元年のことだから、ほぼ30年前のことだ。

中村橋派出所警官殺害事件 - Wikipedia

 自衛官は、その気になればナイフで警官を襲撃し、拳銃を奪うことができるわけだ。

 

 軍隊と警察は、古今東西仲が悪い。

 たとえば、戦前の特高憲兵は似たようなものとしてとらえられがちだが、不仲なことは当時でも有名だったという。

 

事件発生直後、容疑者が拳銃を持っていることが学校側には伝えられていなかったという。緊急事態が起きた場合の、学校や地域への連絡のあり方も課題となる。学校側も銃を持った不審者の侵入までは想定してないところが多いのではないか。児童の安全を確保する手順や方法について、いま一度見直しを加えてほしい。 

 

 日経さんはまた適当に穴埋め社説を書いているので、事件の重大さに比して、凪いだ海のマンボウのようにのんびりしたことしか言えていない。

 「警察を襲って銃を奪う」などということを発想し、しかもそれを実行に移せるというのは、どのような存在なのか。

 それは、反社会的勢力である。

 今回のこの事件から、自衛隊というのは潜在的な反社会勢力だ、ということがわかる。

 あべぴょんは憲法自衛隊を明記したいそうだが、それは遠からず日本社会を崩壊に導く措置でしかない。

 

 もし朝鮮戦争終結したなら、自衛隊はそのレゾンデートルの過半を失う。

 さっさと災害救助隊に再編した方が、後世に禍根を残さないだろう。

 

72313 マンボウ ビニールモデル(FM-313)

72313 マンボウ ビニールモデル(FM-313)

 

 

 

必要なのは「集団の力」の方だ

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 「働き方改革」の中には悪評高い「高プロ」が含まれており、それは会社「組織」にとって有利な制度である。

 組織と個人が対峙した場合、圧倒的に個人の側が不利になる。

 個人が組織を上回ることは、おおよそドラマや漫画の中でしか起こり得ないことであり、日経さんのいう「個の力」などというのは、ハーレクイン・ロマンスの中で語られる「愛の力」と大して変わらない。

 現在の日本のデフレの要因の一つとして、労働者の賃金がさっぱり上がらないことがある。

 あべぴょんが支持率アップのパフォーマンスとして、企業側に賃金アップをお願いしているようだが、そんな猿芝居で効果があるほど世の中は甘くない。

 賃金アップに有効なのは「個の力」などではない。

 労組に代表される「集団の力」の方である。

 

 日経さんは「個の力」などというレッテルを使って、労働者をバラバラにしたいのだろう。

 そうしてバラけさせてしまえば、たとえノーベル賞クラスの能力を持つ個人であっても、企業という「組織」が都合よく扱うことができるからだ。

 今、日本に必要なのは、本当の意味での「労組」だ。

 現在の労組は企業の補完組織でしかない。

 国民党(国民民主党だっけ?)が自民党の補完勢力でしかない、ということに似ている。

 

 本当の意味での「労組」がどのようなあり方をすべきか、については、色々と考えるところはあるがここでは述べない。

 ただ、現状に至っては、旧来の形式と同じものではない、新たな組織が求められるだろう。

 

 

愛なき富豪と夢見る花嫁 (ハーレクイン・ロマンス)

愛なき富豪と夢見る花嫁 (ハーレクイン・ロマンス)

 

 

日経さんがAIIBにご執心なのはなぜか

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 そういえば、ちょいと前に「リベラルは中国主導のAIIBに積極的だ」とかいう、アホ丸出しの論評を書いてた人がいたっけ。

 あべぴょんを「信じて」いる日経さんは、AIIBができた当初から「日本も参加するべき」と主張してきたわけだが、これはアレか、「あべぴょんは実はリベラル!」とかいう寝言と同じ類いのやつか。

 ともあれ、朝日新聞がこと経済に関しては新自由主義に親和的であり、日経さんと同様にTPPに賛成したり、消費税増税に反対してなかったりするのは周知のことではある。

 AIIBはまだまだの規模だが、将来的には使い勝手の悪すぎるADB(ハルヒコ君の古巣だ)にとって変わる可能性がないではない。

 そうすれば日経さんの大好きな「グローバリズム」に敵うものとなる。

 しかし、それはそれとして、日経さんがAIIBに肩入れする理由は、もっと他にあるのではないか。リベラルとも新自由主義とも関わりのない部分で。

 

 ADBは原発の建設に対して、基本的に融資を行わない。

 後々の資金回収が難しい、と判断しているからだ。

 その辺、AIIBは何も決められていない。少なくとも否定的ではない。

 ならば日本がAIIBに協力すれば、アジアへの原発輸出がスムーズになるのではないか。例えば、この間のベトナムの件のようなことは避けられるのではないか、という期待が生まれてくる。

 とらぬ狸のなんとやら、という感じもしないではないが、そうした思惑で事態が動かないとも限らない。

 とにかく原発を崇め奉る日経さんとしては、そちらに一縷の望みを繋がざるを得ないのだ。

 

 だが、現政権の「中国アレルギー」は根強く、また将来北朝鮮の脅威が消えた場合、中国をその代わりにして国内を煽る必要があるわけで、なかなか日経さんの希望通りにはいかないだろう。

 私個人は、前段の理由から日本のAIIB参加に反対するものである。

 現時点では、の保留付きでではあるが。

 

 

 

AKB参上!

AKB参上!

 

 

でもカジノはOKなんだ

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 資金洗浄マネーロンダリング)対策も不十分だった。国境を越えて流通する仮想通貨を使ったテロ組織などによる資金調達は国際社会の重大な関心事だ。

 

 仮想通貨のマネロン問題が取り上げられるたびに思うのだが、

 「じゃ、なんでカジノはOKなんだ?」

 ということである。

 カジノは仮想通貨よりずっとマネロンの使い勝手がいいはずだが、政府は無理矢理に推し進めようとしている。

 やはりそれは「使い勝手がいい」からだろうか。

 

 反社会的勢力の資金源にならぬよう、口座開設に際して本人確認を徹底するのは金融取引を仲介する事業者の初歩的な責務だ。新規口座の獲得にばかり力をいれすぎる姿勢は改めるべきだ。 

 

 反社会勢力ではなく、「政治家」だったらいいのだろうか。

 仮想通貨は裏金の「運搬」には多少効率がいいが、裏金作りに関してはカジノに負ける。

 そういえば「共謀罪」なんか、半分以上マネロンに関することだが、こういう流れを見ると、やはり恣意的に運用されるのが前提になっているんだな、とわかる。

 

 日経さんが「やさしく苦言を呈している」ところを見ると、今後この流れがとどまることはないのだろう。

 やれやれ。