もはや国難などどうでもいい日経さん

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 「国難」といえば、ちょっと前までミサイルだったはずだが、そっちの方はもういいようだ。

 国難とやらを盾にされて、選挙でうかうか自民に入れた人々はいい面の皮である。国民の方で勝手に勘違いしたんだ、と政権は詐欺師の常套句を吐くのだろうが。

 

 で、少子化ということだが、要するに日経さんは少子化対策なんぞやって欲しくないのだ。

 せっかく「移民」がやってくることになったのだから、日経さんとその「上つ方」にとっては、もう少子化なぞは解決済みの問題なのだ。

 なので、政府の予算も少子化対策を建前とした別なことに回してもらいたい、とお考えである。

 

政府が企業に補助金を出し、休業中の従業員の給料を減らさないようにすれば、父親も休みを取りやすくなる。 

 

 結局、企業に金を回せ、と。

 企業で働いていない連中のことなど、日経さんは水たまりにわいたボウフラ程度にしか見ていないのだ。

 

このような知恵と工夫が、育児の苦労を母親だけに負わせたり、長期休業が社内のキャリアアップの妨げになったりするのを改めるきっかけを生む。 

 

 程度の低い「思いつき」を「知恵と工夫」と言い立て、はやる筆先を高齢者の側へと向ける。

 

働く世代の保険料で成り立っている企業の健康保険組合などから高齢者の医療財源を召し上げるやり方は、限界に来ている。消費税収など安定財源を充てるのが王道だ。安倍政権のあいだに税率10%の先の道筋をつけてほしい。 

 

 へー、消費税収を福祉に充てたら、日経さんの金科玉条「財政健全化」が遠のくと愚考いたしますが、その辺はよろしいんですかねえ。つい先日書いたことをお忘れになっているのか。

 

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消費税率をあげて安定的な税収を確保し時限的な増税対策をやめれば、財政健全化には役立つ。安倍政権は今後の国会審議などで消費増税のねらいをしっかりと国民に説明すべきだ。 

 

 ちょっと認知症を心配したくなる。認知症患者の常として、世話になってる人にやたら意地悪を言うということががあるのだが、日経さんも下のように言いつのる。

 

高齢者医療の窓口負担は70~74歳が20%、75歳以上は10%が原則だが、今後75歳になる人から20%に据え置く法改正を求めたい。年金については名目支給額を前年より減らさないルールを撤廃すべきときだ。団塊世代に「逃げ得」を許さない姿勢が大切である。

 

 「逃げ得」と来たもんだ。

 それは一部富裕層に対して、レッテルを貼るべきじゃないのかね。

 

真の全世代型社会保障の実現には痛みを伴う。それを丁寧に説明するのが政治の使命である。 

 

 とにかく「上つ方」には「痛み」が及ばないように、認知症患者のうわ言のような「説明」をしてくださる日経さんなのだった。

 

ぼうふら漂遊記 (新潮文庫)

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七年目も売れない芸人のネタのような日経さん

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 なんか昨日の続きのようだが、3連休の穴埋め社説だけあって、年末特別番組にしか出られない売れない芸人のネタを控え室で盗聴したかのような無内容さである。

 

政権再始動と同時に始まった景気回復局面は戦後最長の73カ月に並び、日経平均株価はこの間にほぼ2倍に上昇した。

ただ、13~17年の実質成長率は平均1.2%にすぎず、景気回復の恩恵も広く行き渡っているとは言い難い。日本生産性本部の17年時点の比較によると、日本の1時間当たりの労働生産性は、経済協力開発機構OECD)加盟36カ国のうちの20位にとどまる。

 

 この「ボケツッコミ」を見よ。なんという寒さ。今年は暖冬みたいだから調整しようとしているのか、などとこちらのツッコミまで寒くなる。

 

自律的な成長の基盤を固め、金融緩和と財政出動への依存から脱却するには、成長戦略のてこ入れが不可欠だ。安倍政権が実行した法人税減税や働き方改革企業統治改革などは評価できるが、積み残しの課題は多い。 

 

 「てこ入れ」に対して「課題は多い」と繋げるとか、もういっぺん初歩からやり直せ。仮にも新聞社だろうに。

 

とりわけ重要なのは、産業の新陳代謝を高める施策だ。上場企業が事業の再構築などで稼ぐ力を高めた結果、18年3月期の純利益は2年連続で最高となり、自己資本利益率は初めて10%台に乗せた。

だが、「ユニコーン」(企業価値10億ドル以上の未上場企業)と呼ばれるスタートアップ企業は小粒で、数も少ない。企業の開廃業も総じて停滞しているといわれる。

 

 別な話にすり替えるな。「ユニコーン」がどうかしたか。「新陳代謝」云々とぬかすなら、ここはこないだのJICの騒動について書くべきだろう。

 

事業の障害になる法規制を一時的に停止する「サンドボックス」の活用も有効である。 

 

 「サンドボックス」というのはIT用語ではなかったか。こういうのをビジネスに流用することについて、普段科学用語の乱用に目を光らせる人たちはなぜか鷹揚である。

 これはあれか、こないだのペーペー騒動のようなのを、もっとどんどんやれるようにしましょう、ということか。それとも、ゴーンをさっさと保釈しろということか。(いやまさか)

 

安倍政権が未来投資会議で検討しているデジタル政府やオンライン医療、フィンテックの推進などを早急に具体化してほしい。 

 

 パソコン触ったこともないおっさんにサイバーセキュリティやらせてる政権に何を期待してるんだ。

 

日本の成長に資する自由貿易圏の拡大も忘れてはならない。米国を除く11カ国の環太平洋経済連携協定(TPP11)は30日、日本と欧州連合EU)との経済連携協定EPA)は19年2月に発効する。これに続く東アジア地域包括的経済連携(RCEP)の交渉妥結を急ぐべきである。 

 

 で、対米についてはナシか。

 オチにきて盛大にスベるってのは、日経さんの様式美なのか。

 

 ちょっとここで話を変えて、「七年」という時間について考えてみよう。

 これは小学生だった子供が高校を卒業するくらいの年数である。

 あべぴょん政権がどんなにだらけたことをしても世間に甘やかされるのを見ながら、若者たちは青春を送ってきた。彼らがどのような価値観を持って「世間」に登場するのか、非常に興味深いところである。

 もしすっかり「安倍化」した若者に出会っても、世の大人たちは現政権を支持してしまった自分たちの責任だとして、しっかりと受け入れてもらいたいものだ。

 

 

 

 

 なお、前回と今回のエントリーで「七年」が漢数字になってるのは、『七年目の浮気』のタイトルに合わせたつまらないこだわりのためである。

七年目も「上つ方」への代弁を続けあべぴょんにつくす日経さんなのだった

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 第二次安倍政権も早七年とのことだ。つまり、このブログも七年目になる。やめ時など考えたこともなかったが、ここまで続けるとも思わなかった。

 七年目ともなれば、人の心も多少は揺らぐもののようだが、日経さんのあべぴょんへの信心はぴくりともしない。よって、それを詰るこちらの姿勢もまた同様である。

 

この結果、19年度の一般会計総額は初めて100兆円を突破した。消費増税もあって税収を含む歳入は増えるものの、直接の消費増税対策以外の防衛費や公共事業費などの歳出も軒並み拡大した。

 

 とうとう100兆である。そしてさらに消費税を増税しようとしている。拡大した歳出のうち問題とすべきは、拡大した分の多くが海を越えてアメリカに吸い取られてしまう防衛費であるはずだが、日経さんはそんなことはおくびにも出さない。

 

消費税対策の多くは時限措置で、20年度までに打ち切る予定だ。そうしなければ増税による増収分を社会保障費や財政健全化に回せなくなる。 

 

 そして、消費税対策に対する苦言に合わせて、一応「社会保障費」に目配りしてみせる。

 

今回の対策で当面の消費税の増収分は新たな歳出に回ることになり、国民からみれば何のための増税かがわかりにくくなった。

それでも、消費税率をあげて安定的な税収を確保し時限的な増税対策をやめれば、財政健全化には役立つ。安倍政権は今後の国会審議などで消費増税のねらいをしっかりと国民に説明すべきだ。 

 

 だがしかし、消費税増税はあくまで「財政健全化」のためにのみあるのであって、社会保障などはアウトオブ眼中(死語)というわけだ。

 

当初は20年度としていた国と地方の基礎的財政収支(PB)の黒字化目標を、安倍政権は25年度まで先延ばしした。消費税率を10%に上げても、歳出改革や成長率引き上げができなければ、この目標の達成は難しい。 

 

 あべぴょんが約束を破ることなど日常茶飯事であり、日経さんは常に暖かすぎるくらいの目で見守ってきたではないか。

 都合のいい部分だけを取り上げて国民を絞り上げる口実にするとは、まるでブラック企業の重役のやり口である。

 

社会保障費を抑制し財政健全化を進めるには、歳出改革と増税など歳入改革、そして経済成長の3つが不可欠だ。 

 

 さらに、社会保障を削ることばかりを処方箋とするところなど、ガン患者に粗食をすすめるナントカ療法のニセ医者の如しだ。

 

日銀はいつまでも国債を買い続けられるわけではない。政権を担当している足元の経済が良ければよい、ということでは困る。 

 

 足元の経済が良ければよい、というのは日経さんの普段の言い草じゃないか。

 「俺だって少しは物を考えてるんだぞ」と言いたげに思わせぶりなセリフを吐いたのだろうが、何も考えてなんかいないことは普段から読んでいれば丸わかりである。

 

 財政健全化などともっともらしいことを言いつつ、結局は「上つ方」の懐中を暖かくすることしか考えてやしないのだ。

 相変わらずな日経さんに相変わらずなことを申し上げるなら、消費税などの間接税は財政再建には向かない。

 本当に財政健全化を目指すというのなら、富裕層に増税を強いるべきだ。

 この巨大なウソを隠すのに現世襲政権はうってつけなので、日経さんは七年目も浮気せずに貞淑な妻のごとくあべぴょんにつくすというわけである。ああ気持ち悪い。

 

七年目の浮気 (字幕版)

七年目の浮気 (字幕版)

 

 

 

護憲派は静かにしろという日経さん

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 日経さん及びその「上つ方」の望み通り、移民を入れて水道民営化したので、日経さんのあべぴょん信仰はいよいよ高まったようだ。

 考えてみれば、「保守」はあべぴょんがどうしようが、下駄の雪でもっ泥にまみれてもついてくるんだから、ここで「上つ方」のご機嫌を伺っておいたほうが確実に憲法改竄できるわけである。

 日経さんはそろそろあべぴょんのことを「お父様」とでも呼ぶのではないか。

 

安倍晋三首相にしても「改憲をカネで買おうとしている」といった批判を被るのは本意ではなかろう。 

 

 このように「本意ではなかろう」などと、口にもしない「本意」をいいように「忖度」する態度は、まさに熱烈な信者と呼びうるものだ。

 

過去の衆院選を上回るテレビ広告は考えていない。自民党がそう公約すればすむ話だ。 

 

 そんな約束はしないし、たとえしたとしても簡単に破るだろう。

 そして、自分たちは約束を破りながら、野党には約束を守ることを求め、わずかでも瑕疵があれば鬼の首を取ったように騒ぎ立てるわけである。

 

憲法論議が中身をめぐる対立によってではなく、手続き論で膠着状態に陥るのは残念である。 

 

 改竄の中身がロクでもないことになっているのはすでにわかっている。

 それを議論することを避け、膠着させているのはあべぴょんの方だが、そのことから目を背け「もう!野党はしっかりして!!」な日経さんは

 

護憲派はいままで以上に発議の阻止に注力することになろう。 

 

 などと、護憲派に責任を投げてよこすわけだ。

 財界はこぞってあべぴょんの後押しをする態勢が整った、と受け取るべきなのだろう。

 

静かにしろ

静かにしろ

 

 

『JICを富めるな!』

 なんか例の映画になぞらえようとして、ちょっとわかりづらいタイトルになってしまった。

 『カメラを止めるな!』でゾンビ映画というものに初めて触れたが、まあまあ面白かった。この映画、制作費が300万とかいうことでも話題だったが、映画マニアの知人によれば「ゾンビ映画は低予算で当たり前。アメリカならもっと安いのもある」とのことだった。

 さて、アメリカではなく日本で、映画ではなく現実にゾンビを生み出そうとしていた動きが、暗礁に乗り上げつつある。

 

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 日経さんがお好きな「民」間の側は、「こんなやっっすいギャラでやってられっか」というわけで、経産側がゾンビ制作モノなんだから安くあげようとしたら、ドタキャンを食らったような格好だ。

 日経さんは、このJICについて、以前にも社説を書いている。

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 やるんならやるで、ゾンビを作らせないようによく考えてね、と忠言している。

 しかし経産相はゾンビの盆踊り会場を作る気満々だったようで、そんなら大したスキルはいらないから低価格でお願い、とコストカッターをやってきた。

 すると、人の給料を削るのは平気なくせに、自分の取り分はびた一文負からない人たちがブーブー言い出した。

 で、日経さんはと言えば、官民ファンドには疑問符をいくつもつけるくせに、その崩壊のきっかけとなった「人の給料を削るのは平気なくせに、自分の取り分はびた一文負からない人たち」については、慎重に言葉を選んで擁護している。

 

問題になった報酬は、客観的に見て投資の世界では飛び抜けて高額とはいえない。それでも「財政資金を元手にした官民ファンドには高すぎて不適切」というなら、人材確保は難しくなる。投資を通じて次世代産業を育成し日本の競争力を高める、という使命の達成はおぼつかないだろう。 

 

 経産省の言い草は、「レンタカーでレクサス借りるけど、高速走るわけじゃないからヴィッツと同じ値段でいいよね」みたいなもので、どっちが悪いというのは言いづらいが、簡潔に言えば「どっちも悪い」

 

 とりあえず、勝手にずっこけてくれたおかげでゾンビ製造の陰謀は頓挫した、というマヌケなオチになりそうだ。

 だが、めでたしめでたし、という気分になれないのは、すっかり死に体なのに堂々と動いている、ゾンビだかグールだかわからん政権とともに年を越すことになりそうだからだろう。

 

 

そんなに急いでどこへ逝く

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 男やもめの大掃除というか、夏休み最後の日にでっち上げる自由研究というか、大して急ぐ要件でもなかろうに大慌てで重要法案を通してしまっている。

 入管法にしろ水道民営化にしろ、「それ、今じゃなきゃダメなのか?」というのは、普段あべぴょん政権を「消極的に」熱烈支持している方々ですら感じたことだろう。

 現に入管法に関しては、「保守」の側からすらも苦言が漏れてきている。

 ここであべぴょんは、今まで右旋回させてきたハンドルを、急に「新自由主義」の側へきったように見える。

 振り落とされないようにしがみつく信者の方々は哀れだが、これは一体いかなる事態なのか。

 あべぴょんに何事かふかーい考えがあってのこと、というのはありえない。

 あのバカは男は、深く考えるということが一切できないからだ。

 竹中に操られてる、などというのも考えにくい。財界の「上つ方」から指令がもたらされた、ということはありえるだろう。

 しかし、支持基盤である「保守」の機嫌をとり結ぶヒマもなく、ブレーキとアクセルを踏み間違えたかのように急発進することに、どのような意味があるのか。

 憲法審議が全然進行できないことの腹いせか?

 

 とはいえ、こうした「愚図の大忙し」のような状況について、あの愚図男だけでできることでもなく、自民党内にもおおよその動機は共有されているものと思う。でなければ、まったく狂気の沙汰だからだ。

 考えられるのは、「トランプが本気で中国とやりあうつもりで、ついでに日本ともやりあうということ」もしくは「朝鮮戦争終結が具体的にスケジュールに上がってきている」などだろうか。

 それとも、今度こそ本当に何らかの病巣がぽんぽんに現れた、ということか。それなら、無理やり改憲に突っ走るだろうから、それだけはありえないだろう。また病状悪化をリークして人気取りしようとするかもしれないが。

 いずれにせよ、問題が露わになる頃、この低脳男は総理の座にいないのだろうから、周囲の心ある人たちは善後策を今から講じておいてもらいたいものだ。

 

そんなに急いで (MEG-CD)

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「水喧嘩」していた時代をトリモロスということか

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 また「日経さん苦しそう」な社説である。

 抱き合わせ商法のように、民営化と広域化を合わせて改正したわけだが、広域化については今更というものである。

 

法改正に先立って今年春から1県1水道体制に移った香川県

 

 香川県の水道はかねてより問題が山積してしていたわけだが、「法改正に先立って」の事例があるなら、改正の必要について疑問符がつくだろう。

 わざわざ変える必要があったのは、「民営化」と抱き合わせるためである。

 

改正水道法では自治体が水道施設の運営権を企業に委ねる、いわゆる「コンセッション」制度の仕組みを規定した。 

 

 ただの民営化じゃないよ、「コンセッション」だよ、とカタカナを使って印象を薄めようとしているのではないか、という疑問が頭をもたげてくる。

 concession とは、譲歩、値引き、営業権、さらに「利権」の意味がある。water concession は「水利権」と訳される。

 さらに、歴史的には「租界」の意味がある。上海法租界 Shanghai French Cencession が有名だろう。

Shanghai French Concession - Wikipedia

 「コンセッション方式とは所有権まで譲渡するものではないから、そのような意味合いは持たない」

 と強弁するかもしれないが、海外の事業体にその弁が通じるものかどうか。名は体を表すということをお忘れか。

 

 日経さんが持ち出す「例」についても、情けなくなるほどしょぼい。

「民」の知恵を生かすことで、漏水検知にセンサーを取り入れるなど、行政にはマネのできない新機軸の導入が期待できる。

 

そんな程度のことも行政はできないのか。日経さんは常に、地方行政について無能扱いする。

 

公営事業につきものの単年度主義から解放され、水道管の更新など長期計画も立てやすくなる。

 

 おいおい、単年度主義どころか四半期ごとに「見直し」があるのが「民」の企業ではないか。

 長期計画こそ行政の役割だろうに。

 

浜松市の試算では公営のままでは今後25年間で水道料金が46%上がってしまうが、民間に委託すれば種々のコストが削減され、39%の値上げですむという。

 

 結局上がるんかい。朝三暮四とはこのことである。

 民営化後に上がれば、たとえその原因がそこになくとも「民営化」が槍玉に上がるのは目に見えている。そんなところにわざわざ進出してくるような「民」とは、どのような「民」か。日経さんの「企業性善説」ここに極まれり。

 だいたい「種々のコスト」などというが、概ねは「人件費」であろうことは容易に想像がつく。

 

もちろん行政の役割もゼロにならない。水質が適正に維持されているか、委託した企業が突然破綻して、水の供給に支障をきたすことはないか、などを監視する機能は残さないといけない。

 

 「水を値上げしすぎて、市民の生活を圧迫していないか」について監視する機能は残されないようだ。

 もしかすると、地方では水道民営化が原因で不満が鬱積した時、水道事業を行う側は生活保護に矛先を向けることで、不満をそらそうとするかもしれない。生活保護は水道代が無料なのだ。

 

 水道が整備される以前の時代、百姓たちの間では「水争い」や「水喧嘩」が頻繁に起こり、時には人が殺されることもあった。

 もう一度あの時代をトリモロスことになるのだろうか。

 

 

上海租界興亡史―イギリス人警察官が見た上海下層移民社会

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