人類学はどうなっているのか

Cousin Marriage and Democracy

http://marginalrevolution.com/marginalrevolution/2013/04/cousin-marriage-and-democracy.html

 

 なにやらコメント欄まで盛り上がっているようだが……

 中国では周代から「同姓不婚」とされていたことについて、誰も触れていないようだ。それとも中国は古代からデモクラシーが根付いていたのだろうか?

 結局は中東をおとしめたいだけのようにも見える。

 レヴィ=ストロースについて少しでも知っていれば、このようなことは言い出さないと思うのだが、最近の人類学はどうなっているのだろう。それともこれは最新の人類学の成果なのだろうか。

 親族の分析について構造主義はその役割を終えつつある、ということは聞いているが。

 ブロガーのBy the way 以後の認識についても少し残念な感じがある。

 

 ついでなので、王族の近親婚について。デモクラシーとは関係ないが、どうもアジアについてばかり語られ、ヨーロッパの方は忘れられがちのようだからメモしておこう。

 五世紀頃までバンヌ地方(現在のブルターニュ辺り)では、君主が自分の姉妹や娘と結婚するのが普通に行われていた。

 すでにキリスト教は入っていたが、司祭たちは報復を怖れてだんまりを決め込んでいた。

 この風習をやめさせたのが、聖アルビヌス(469-550)である。

「やがて私の首は切られ、洗礼者ヨハネのようになるだろう」と覚悟して、王族たちの近親婚を批難し、反するものを破門した。

(Englebert,O.- La Fleur de saints.)