もう十年以上夫婦別姓だがなんの問題もないんだけど

混乱や不便を解消するためにも、各党には民法の改正を急いでもらいたい

http://www.47news.jp/47topics/e/241862.php

 

 なんか現在の民法憲法違反に当たらない、という判決が出たんだそうだ。

 だそうだ、なんて他人事のように言ってるのは別段どうでもいいからで、判決がどうだろうとこっちはずーーっと事実婚のままだし、これかもずーーーっとそのままだからだ。たぶん、別姓で結婚できるようになってもそのままだと思う。

 子供はいちおう私の姓だが、「大人になったらママの姓も選べるから好きにしろ」と言ってある。

 それで何の問題もなく普通に育っている。

 そして、別姓にしていて不都合を感じたこと、変な差別を受けたことも一度もない。法律上夫婦でなくても「夫婦」と名乗っていて、周囲もそのように扱ってくれている。互いの両親(双方とも普通の勤め人と主婦)との関係も良好だ。もしかするとどこかで色眼鏡で見られているのかも知れないが、元来そういうことには鈍感なほうなので。

 おそらく、法改正を求めてがんばっておられる方からすれば、こういういいかげんな別姓夫婦にいらだつのかもしれないが、こっちはこっちで「家族のあり方を国との関係何ぞで考えたくない」と思ってやってるので、この先法律がどうなろうとこのやり方を変えるつもりはない。

 

 ネットでちらちら見かける「別姓反対」の方々は、あくまで家族のあり方は国家の都合に合わせるべきだ、と考えているかのように見える。

 だが、本音はきっと別なところにある。

 ちょっと以前、飯田橋の大きな交差点でのこと。

 上下六車線ほどの道路を横断する赤信号は恐ろしく長く、道の両端には大勢の勤め人の男女がたまっていて、その中に私も混ざってぼーっと立っていた。

 ふと、車の流れが途切れた。しかし、赤信号は変わらず、道の両側の群れはびくりともしなかった。

 すると、こちらがわの群れから一人の白人男性が歩き出し、すたすたと道を渡って行った。

 私は心の中で軽く舌打ちしながらその男を目線で追った。

 そしてその目線を周囲に伸ばしてみると、全員がなんともいえない目線で男を見ているのがわかった。いや、見ようとしていないのに見てしまっているのがわかった。

 男はそんな目線など気にせず、何事もないかのように道路を横断し、歩き去って行った。

 ややあって信号が変わると、両側の人々が心持ち伏目がちに歩き出し、心のなかの小さなため息が聞き取れるように感じられた。もちろん、私もそのなかの一人だった。

 

「別姓反対」の声を聞くと、この時の光景が頭に浮かぶ。

 みんな別に「国家」のことなんか必死で考えてるわけじゃない。

 勝手に赤信号の道を横断するやつがいると、「ちっ」と思ってしまう、ただそれだけのことなのだ。