すべての定義はローマ法にとって危険である

Omnis definio in jure civili periculosa est.

 

 ローマの法はその都度その場の状況によって決められたもので、きちんとした体系をもたなかった。それゆえ、なにか一つの概念を定義すると、たちまち矛盾があらわになり、ばらばらになってしまうのだ。

 たとえば「人間」について定義すれば、奴隷の所有を当然とし、子供の奴隷化さえも正当とした条文がひっかかってくる。

 

 人間が当然持つべき「人権」についてはなおさらだが、それはこの古えの帝国に限らないようだ。

 

取り調べ可視化、骨抜きの恐れ 幅広い例外認める素案

http://www.asahi.com/national/update/0614/TKY201306140398.html

 

 すべての定義は日本警察にとって危険、と考えてでもいるのだろうか。

 先日、人道「人権」大使というお方が、「中世並み」と言われて「しゃらっぷ!!」と雄々しく吠えられたとのニュースがあったが、「中世」というのはごく控えめな表現で、実際には「古代」と比喩されるべきだったのかもしれない。

 

人民の安寧が最高の法なり

Salis populi suprema lex esto.

 

ローマ帝国衰亡史〈1〉五賢帝時代とローマ帝国衰亡の兆し (ちくま学芸文庫)

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