『失敗の本質』を読んでも本質とやらがどこにも書かれていない

失敗の本質―日本軍の組織論的研究 (中公文庫)

失敗の本質―日本軍の組織論的研究 (中公文庫)

 

 ふと思い立って『失敗の本質』を読み直してみた。学生時代に読んでいたが、ほとんど内容を忘れていたからだ。たいして考えさせられる部分もなく、一時間ほどで読了した。

 

 他の太平洋戦争の敗因分析に比較すればややマシとはいえ、「後悔」しかしていない、という点では同レベルだった。

「あんなことしなきゃよかった」

「オレってバカだなー」

 平たく言えばこういう事柄が書かれているだけだ。

 ずっと売れてはいるようだが、この程度の内容で「反省」したつもりになるのなら、また同じような間違いを繰返すことだろう。いや、すでに繰返しつつ有るかも知れない。

「本質」を問題にするのであれば、『菊と刀』を読んだ方がずっとましだ。

 

菊と刀 (講談社学術文庫)

菊と刀 (講談社学術文庫)