中国もアメリカも何度でも再生することだろう
中国経済が破綻、もしくはバブル崩壊の危機にある、という記事を昨今見かける。日本国内で左脳が腐敗しつつある方々が、何年も前からお題目のように唱えているアレではなく、海外のややリベラルなサイトで見かけるようになった。
だが、中国は破綻しないだろう。または、破綻してもすぐに立ち直るだろう。
以前、リーマン・ショックのとき、アメリカ経済についても同じ感想を持った。「アメリカは破綻する」という本がベストセラーになり、ネットでもリベラルなブログでそのような論が熱く交わされた。
しかし、アメリカは破綻などしない、と思った。
なぜかというと、双方とも国内に「植民地」を抱えているからだ。
「植民地」とは何か。チベットのことではない。搾取されて何の見返りもなくとも、政府に積極的に従う人々だ。
アメリカも中国も、こうした「植民地」が他の国に比べて圧倒的に多い。
それゆえ、経済的な揺らぎに対しておそろしく耐性がある。
では日本はどうか。
それほどではないことを、「失われた20年」とやら示している。
そこで経済を立て直すべく、国内に「植民地」を形成しようとしている。構造改革とか、「日本を取り戻す」とか、アベノミクスとかはそういうことが目的なのだ。
「植民地」の人間が奪われるものは、財産だけではない。知性や「誇り」も収奪の対象となる。そうした自国内植民地化は社会にアノミーをもたらすが、「植民地」にはそれが自覚できなくなる。それゆえに「格差」というものが問題になるのだが、とりあえず別なものに目線をそらされてしまう。
そして、すべては「経済再生」の美名の元に正当化される。
そういえば右派に「朝鮮は自ら植民地化されることを望んだ」との論があるようだが、それは自分たちの隠された欲望が、無意識に顕れてしまっているのだろう。
なぜ人が自らを「植民地」とすることを望むようになるのか、はまたいずれ。
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