国の借金(?)とやらの問題を解決する方法
国の借金 初の1000兆円超え
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130809/k10013665191000.html
日本の財政がこれによって破綻するか否か、という議論には興味がない。どうなるのかよくわからない、というのが本当のところだろう。
経済学者の皆様はわかったようなフリをしなくては権威が保たれないので、お疲れさまとしかいいようがない。日本にバラまかれた放射能が、これから影響があるのないのか、はっきりわからないのというのと似たような構図だ。ここで「俺はわかってる」と断言するのは、どちらの論にしろ詐欺の類いである、というところも似ている。
この「借金(?)」とやらは、国債の他に短期の借り入れも含まれるようだが、ほぼ国債の問題と言って差し支えなかろう。
問題を解決するにはつまり、国債の利払いを停止し、償還しなくてもよくなればいいわけだ。
ならば、国債を大量(とりあえずは10億以上か)に保有する企業・法人などに、保有する国債の10倍の"独自”通貨発行権を認証すればいい。円とは別の”独自”の通貨である。その代わり、発行権を代償とした国債は利払い・償還できないものとするのだ。
現在国債の利率は恐ろしく低い。こないだ長期がややあがったとはいえ、まだ低い。そんなものに期待するより、通貨発行権を得た方がずっと利益が上がることは火を見るよりも明らかだ。経営者はなだれを打って発行権を得るだろうし、また発行権を得るために国債を買う動きも増すことだろう。
まあ、半分以上冗談のようなものだが、もしかするとアメリカの方が先にやるかもね。
というのも、通貨の民営化論というのは別段新しい話ではなくて、ハイエクがすでに『貨幣の脱国営化論』というのを書いているからだ。
その中から、少し興味深い記述を抜き出してみよう。
「悪貨が良貨を駆逐する傾向が貨幣の政府独占を必然的に生み出すと思うのは、いわゆるグレシャムの法則についての誤解である。」
「実際上、経済理論のたいていの数量的定式化は不適切なものである。」
「あらゆるインフレーションが非常に危険であるのは、まさに、多くの経済学者を含む多くの人々が、マイルドインフレーションを無害であるばかりか有益なものとさえ見なすからである。」
「これまで学ぶべきであったことは、金融政策は不況の解決策どころかむしろ多分にその原因であるらしいということである。」
「市場経済の過去における不安定性は、市場メカニズムの最も重要な調整装置である貨幣それ自体が市場過程によって調整されることから排除してきたことの帰結なのである。」
「中央銀行及び貨幣発行独占の消滅とともに、利子率を意図的に決定することの可能性も当然ながら消滅するであろう。いわゆる「金融政策」の消滅は全く望ましいことである。」
「政府による貨幣独占の廃止は、過去六十年間にわたって世界を苦しめてきた激しいインフレーションとデフレーションという発作を防ぐために考えだされた。そ れは、調べてみると、もっと根深い病気、すなわち、資本主義に内在する致命的な欠陥であると表現されてきた不況と失業の循環的な波動にとっても、強く切望 される治療法であることがわかる。」
……などなど。
リバタリアニズムがアナーキスムに近いことがよくわかる。
- 作者: ハイエク,Friedrich August Von Hayek,池田幸弘,西部忠
- 出版社/メーカー: 春秋社
- 発売日: 2012/06/22
- メディア: 単行本
- クリック: 3回
- この商品を含むブログ (3件) を見る