STAP細胞のことからふと思い出した話

 STAP細胞の発見は、小保方さんという30歳の若い女性が中心となってなされたものだという。

 よく周りにいるお偉方に成果を横取りされなかったものだ、と他人事ながら胸を撫で下ろす。

 というのも、昔実際にノーベル賞を受賞した研究が、元々はその研究所の若い女性研究員が成功させたものだ、という話を聞いたことがあったからだ。

 話してくれたのは私の義理の叔父にあたる人で、研究所は別だが似たような分野の研究をしていた人だ。なので、嫉妬によるバイアスがかかっている可能性も捨てきれないため、「わかる人にはわかる」範囲で書いてみる。

 

 その研究は、一度捨てた試料からある偶然によって発見されたことになっている。が、実際はその研究所の女性研究員が、ふとしたインスピレーションから「ちょっと実験してみたい」といって始めたものだという。

 そして、当時の常識では考えられない結果を得たところで、そこの研究所のエラい人がその研究を横取りし、論文に仕上げて発表したのだそうだ。

 その研究によって、エラい人はノーベル賞をもらった。

 

 義叔父は「よくある話だがな」といいつつ、苦い表情を浮かべていた。

 その後、件の女性研究員がどうなったかは知らない。

 ノーベル賞を受けたエラい人は、明白な優生思想の持ち主で、政府の教育会議などでもどうどうと自説を開陳してはばからないのだそうだ。

 

 

優生思想の歴史 (明石ライブラリー)

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