水と油が混ざりあう時代
半生記以上前、ミルトン・フリードマンが一冊の本を世に問うた。
それが新自由主義、てか自由経済のバイブル『資本主義と自由』てやつだ。
- 作者: ミルトン・フリードマン,村井章子
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2008/04/17
- メディア: 単行本
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この本が書かれたとき、まだ公民権法はなく、フリードマンがうろついていたシカゴには、悪名高きジム・クロウ法が生きていた。
フリードマンはその状況を憂い、やがて自由経済が広がれば「差別」なんて野蛮な風習は朝霜のように消えるだろう、と考えた。
その小児病的能天気さを糾弾するのはさておいて、今やこの日本では本来水と油のはずだった「全体主義」と「自由経済」が融合している。
しかし考えてみれば、フリードマンらシカゴ・ボーイズはチリのピノチェトを後押ししたんだから、利害が一致すれば水と油も手をつなぐというのはありえるわけだ。
あべぴょんをヒトラーにたとえる人は多いが、むしろピノチェトに近いのではないか。
アベノミクスが「チリの奇跡」のような末路を辿らぬよう願いたいものだ。