2ちゃんねるはムソリーニの夢を見るか?
「貴族主義者であると同時に民主主義者であり、革命的であると同時に反動的、プロレタリアと同時に反プロレタリア、平和主義者と同時に反平和主義者である」
これはどのような人間だろうか。ついでに「左翼であると同時に右翼でもある」というのも付け加えてみようか。
ネット上で自ら「中道」と名乗る人はこのように語ることを好むように見える。
これは思想や理念ではなく、ただの「気分」であり「ポーズ」であり、まあ言ってみれば「かっこつけ」である。
そうした人たちが口にするのは、どこまでも自己肯定的な「ロマンのようなもの」でしかない。
「貴族主義者であると同時に民主主義者であり、革命的であると同時に反動的、プロレタリアと同時に反プロレタリア、平和主義者と同時に反平和主義者である」
と名乗ったのは、ムソリーニである。ムソリーニは、こうあることが即ち「ファシストである」と定義した。
ムソリーニは、あらゆるイデオロギーを超越できる、と妄想していたのだろう。もと左翼である彼は、どこまでも自らを肯定する「ロマンのようなもの」を口にすることで、ファシズムを形成した。
「ロマンのようなもの」というのは極端な言論であり、最近の例だと「フクシマ原発跡をレジャーランドに!」とかいうヨタである。東某とやらがいつイタリア風コーポラティズムを口にしても不思議ではない、と私は思う。(ついでに宮台某を付け加えてもいい)
「貴族主義者であると同時に民主主義者であり、革命的であると同時に反動的、プロレタリアと同時に反プロレタリア、平和主義者と同時に反平和主義者である」
こうした極端な言論が飛び交う空間が、「2ちゃんねる」という巨大匿名掲示板だ。
もはやその存在を否定できないほど大きくになり、困ったことにそこに書き込む人間は、自分たちが「自由」を満喫していると勘違いしている。ヘロイン中毒者が宇宙の真理を見たりするのと同じように。
2ちゃんねるはその「自由」によって、「ロマンのようなもの」をまきちらし、ファシズムの苗床となっているわけだ。
さらにはツイッターがデマの好適環境を提供したり、アルファ・ブロガーと呼ばれる連中にろくな人間がいなかったり、そうしたことも同様の原因から来ると思われる。
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