あべぴょんと集団的自衛権

 冷戦というものがかつてあった。

 ソ連は紛れもない悪の帝国とされ、いつ攻めてきてもおかしくない、と喧伝されていた。その時自衛隊はどうすべきか。米軍と共同して作戦行動ができなくてどうするのか、などなどが議論された。

 その当時の集団的自衛権についての議論は、新聞でも何度か取り上げられているので、改めて書くまでもないだろう。

 

 現在ソ連は崩壊し、どうやら集団的自衛権の矛先は中国に変更されたようだ。

 実際に日本との間には尖閣の問題が浮上しており、今はベトナム相手にごたついている最中だ。

 なので、中国に対してそれが必要なのだと言う。

 具体的に、中国の「何に」対してなのか、そこが今ひとつ明瞭でないが。

 尖閣については、日本側から当時の都知事が仕掛けたわけで、むしろ挑発したのは日本の方である。それを目一杯利用されてしまっている。

 右派は「一体感」を得られてうれしそうにしていたが、端から見れば大人と子供が将棋をしているようなものだった。日本の外交はまるで国内問題であり、国外でどのような「実」を得るかについてまったく関心がないように見える。尖閣が改めて「問題」として世界に認識されたことは、中国に数多のアドバンテージを与えてしまった。

 オバマから安保についての発言を得たが、同時に中国との関係を改善するように忠告された。自分のケツは自分でふけ、とのおおせだ。

 このタイミングで集団的自衛権が持ち出されたというわけで、その「集団」の有力な、いやおそらくは唯一の「お仲間」と期待するアメリカからは、今後ほとんど半人前の扱いしかされなくなるだろう。

 自衛隊が、ではなく、日本の「外交」が、である。

 対中国感情が微妙な中で集団的自衛権を押し通すことは、国内的にはやりやすいだろうが、国外からは侮りを受けるだけだ。もちろん中国からも。すでに手ぐすね引いて待ち受けていることだろう。

 

行く手に翻るのは赤い旗のみか?

http://business.nikkeibp.co.jp/article/life/20140515/264691/

 

 なかなか面白かった。

 「仁義なき戦い」は学生時代にオールナイトでまとめて見ているが、あまりはっきり記憶していない。

 確か、勢力が均衡する中、どうせたいしたことはできないだろうと無能な親分を戴いたら、そいつがしゃれにならない事態を引き起こしていくという話があった。妙に生々しく印象に残っている。

 

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