集団的自衛権以後ありうること
まず、軍事衝突的なことが起きないことが期待される。
「あんなに反対されたけど、何も起きないじゃないか。誰一人死んでいない」
「平和なのは集団的自衛権のおかげ」
などの論がネットで盛んに流される。
日中関係が沈静化することも求められる。
「集団的自衛権によって中国をビビらせた成果だ」
ということになる。
とにかく、「サヨクがたいへんだたいへんだと騒いだが、実際には何も起きなかったじゃないか」というようになる。
だいたいこの程度は予測できるだろう。
というか、これは原発事故以降の、ある傾向を持った人々が放射能(放射線)について語っていたことをなぞってみただけだ。
この「ある傾向を持った人々」は、いわゆるネトウヨのように騒がしくはなく、とにかく「何も起こらなかった」と悟り澄ましたように語りたがる。まるで自動車に人がはねられても、金属の固まりがたんぱく質の固まりに衝突しただけだ、とでもいうように。太古ののバラモン教の一宗派で、「人がナイフで刺されても、金属が肉を通過するだけで、何かが起きたわけではない」と教えるところがあったことを思い出す。
しかし、そう簡単にことが収まらないであろうことは、放射能(放射線)に関する騒動を見ればわかる。
低線量被曝について分かっていることは、現時点では「よくわからない」ということだけだ。
『美味しんぼ』という漫画は残念ながら読んだことはないが、問題になった鼻血の表現については、個人的に気になることはある。
妻の知人が福島に住んでいるのだが、二人の子供のうち一人が、原発事故以降よく鼻血を出すようになったという。それもびっくりするほど出るので、心配になって医者に連れて行ったら、鼻の奥の血管を焼きつぶされたそうだ。(そういう治療法があるのだそうだ)
それで一時は収まったが、また最近出るようになった。以前は出る前から鼻腔に血の臭いがして本人もすぐわかったのだが、最近は知らぬ間に少量の血がすーっとたれているのだという。
大きめの病院の医者に診せて、今度は種々の検査を受けたが原因は分からず、「ストレスでしょう」ということになった。
母親ももう一人の子供のそうした症状は出ていないので、一概に放射線の影響とすることはできないが、気になるところではある。