それはやはり想定内のことなのだ
アベノミクス・想定内の破綻
http://blog.goo.ne.jp/keisai-dousureba/e/a70130a1ea90a73ca98761409405e992
こうした分析を読むと、「経済学者」というものの限界を感じる。
財務相が「想定内」と発言したのは、まったくその通り想定内だからだ。原発事故時の「ただちに影響はない」という枝野発言とも違って、民衆に影響はあるがその影響は「想定内だ」ということだ。
なぜなら、あべぴょん及びその周辺は、アベノミクスが成功することを望んでいないから。
あべぴょんが「トリモロス」という時、一体何を「取り戻す」つもりなのか。
民衆は、かつての高度経済成長する日本、もしくはバブル景気に沸く日本をイメージしたことだろう。
しかし、あべぴょんがトリモロそうとしている日本は、それらよりもずっと昔、国家予算の大部を軍事予算とし、ごく一部の人間だけが「人間らしい暮らし」をする他は貧窮にあえぎ、崩壊しかかった倫理をかろうじて天皇制によって押さえつけている、そんな状態の国家なのだ。
アベノミクスが成功し、一部の評論家が持ち上げたように「再度世界に冠たる経済成長」をとげたとしたら、そこに現れる国はあべぴょんが望むような日本ではないだろう。
かつて好景気の状況下において、若者たちは愛国心につばを吐いた。別にサヨクががんばったからではない。豊かな暮らしをするものは、国などより自分の財産を愛するものなのだ。
自衛隊には人が集まらず、上野や池袋で毎日のように勧誘がなされた。(私も何度か声をかけられた)
集団的自衛権などをゴリ押しする姿から明らかなように、あべぴょんがやりたいのはアベノミクスなのではなく、本当はこっちなのだ。
そして自衛隊がやがて軍隊となり、十分な戦力を保持するためには、民衆が自ら望んで軍に志願するような状況を作り出さねばならない。
それには「格差」を拡げ、国民の大多数を貧しくしておくことが必要なのだ。
格差の拡大は株価を押し上げ、経済を成長させ、内実が伴わずとも「景気」を良くすることができる。それは「いざなみ景気」の時に実証済みだし、戦前においても日本のみが不況を脱し、「繁栄の孤島」と世界から呼ばれても、民衆は貧しく、地方においては娘を売ることも珍しくなかった。
あべぴょんを「新自由主義者」と考えている向きもあるようだが、あの男はそんな上等なものではなく、ただの右翼なのだ。
こうしたことが分かっていれば、なぜ第2第3の矢が日銀の異次元緩和に比べてしょぼいのか、簡単に了解できるだろう。
あべぴょんの目指すところは、「もうちょっとでアベノミクスが成功するんだがなあ」というポジションだ。
自分の内閣の支持率がアベノミクス次第であることはわかっているので、それをやるフリだけはする、といったところなのだ。