身の毛もよだつ恥ずべきカント

カント愛した元院生、存在感薄く 岡山・女児監禁容疑者:朝日新聞デジタル

 

 カントは「理性」による結婚を夢見た。

 そして結婚というものを、互いの性器を使用し合うことであり、一方を「物件」的に「占有」することだと説いている。

 ヘーゲルは『自然法講義』の中で、このカントの婚姻論を「身の毛もよだつ、恥ずべきやり方」となじっている。

 

 ヘーゲルの読み方もやや浅薄かと思うが、カントの考える「結婚」が頭の中で作り上げられたものに過ぎない、というのは確かなように思える。

 そして件の容疑者は敬愛するカントのひそみにならい、少女という「物件」を「占有」しようとしたのだ……などと考えることはこの事件の表層をなぞったにすぎない。

 

 まあ、実際のところこの事件は、たいして深みのない、類型的な犯罪でしかないように思うが。

 

 

カント全集 第11巻 人倫の形而上学

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