日経読みの世間知らず

 その昔、私の周辺だけかもしれないが、「日経読みの世間知らず」という言葉があった。昔の日経はストイックに経済の記事ばかりを載せ、たとえ旅客機が墜落しても二面に中くらいの大きさで掲載される、という具合だった。

 今は普通紙と遜色ない紙面だが、それでも日経だけを読んでいると、ややずれてくるというか、とにかく経済だけを優先に考えるくせがついてしまう。しかし「世間」というやつは、わりと経済以外の部分が多かったりするわけなのだ。

 

 さて、今朝の社説。


川内再稼働へ首相が前に出て理解得よ :日本経済新聞

 

 日経が原発賛成なのは昔っからで、メルトダウンが起ころうがそれは変わらないわけだ。(とはいえ、社員の中には密かに反対してるのもいるようだが)

 で、この社説なんだが……

>ここは安倍晋三首相が自ら前に出て、再稼働がなぜ必要か、原発をどのように位置づけるか、国民に明示するときではないか。

 うーん、たぶん、あべぴょんはその役目をマスコミに丸投げすると思う。

 というか、自民党はこれまで、原発についてはずっとそうしてきた。

 これは、日経が社説でどんなに賛成しようと、賛成派が思ったように増えないため、あべぴょんに投げ返しているように見える。

 規制委員のメンツを入れ替え、強引にここまでやってきたあべぴょんだが、ここから先はマスコミにバトンタッチしてくるだろう。日経はそれについて、やんわり「いやいや」をしてるようだ。

 もはや原発がどれだけ「不経済」なシロモノか、いろいろな研究から自明のこととなっている。日本「経済」新聞がなぜ原発に賛成なのか、新たな研究をふまえた上で、そちらを先に「明示」すべきではないのか。ま、やんないだろうな。

 

 以下私見ではあるが、おそらくここ何年かのうちに再度原発事故は起こるだろう。それはどこの国かはわからない。再稼働がなければ日本であることは避けられる。私は個人的に中国がまずいと考えている。

 もし中国で原発事故が起きた場合、国内で「放射脳」とか揶揄してる連中は、「正しく恐がる」ようにがんばってもらいたいものだ。

 

 

中国 原発大国への道 (岩波ブックレット)

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