「香港化」する中国
台湾のごたごたのときもそうだったが、日本の政府はこうした「自意識を持った民衆の反乱」めいたものについて、あまり詳しくはとりあげたくなさそうだ。
市民の「反乱」に対して、その言い分に耳を傾けるよう口にすれば、それはそのまま己に帰ってくるからだ。「吐いた唾を呑まんように」せにゃならんわけで、その辺りは原発推進派の日経新聞とて同じようなものだろう。
だから「力づくで押え込むな」とはいいつつ、中国政府に「デモ隊と対話せよ」とは言わないし、言えないわけである。
香港の「大陸化」というが、その大陸の方は国を挙げて「香港化」を目指している。経済面だけ、ではあるが。
しかし中国がこれからも大国として振る舞うことを目指すなら、どこかで「民主化」の問題は避けがたくなるだろう。豊かさを知った国民が、いつまでも唯々諾々と政府に従うことはありえないからだ。政治面での「香港化」である。
また、台湾との統一を「悲願」とするなら、それもやはり「民主化」することを避けては通れまい。
あべぴょんは「中国包囲網」だとか、幼稚な戦略ゲームのような外交にご執心のようだが、そんなものを破るのは外交上手の中国からすれば赤子の手をひねるようなものだろう。
むしろ中国内部の人権活動家の支援などをすべきだが……
「人権」という言葉をノミシラミの如く扱う現政権では、期待する方がおかしいと言われそうだ。