ルイセンコ経済学


自助努力かなえ非正規増に歯止めかけよ :日本経済新聞

 

 自助努力だそうだ。

 結局は個々人の「努力」という不確かなものに頼る、ということは経済学的な態度と言えるだろうか。経済学が「科学」というものであるのなら。

 その考えは、生物を厳しい環境におけば、環境にそって進化するとしたルイセンコの学説と同じものだ。

 なぜこうした考え方について、「ニセ科学」と難じる人が現れないのだろう?

 それどころか、世の経済評論家はおろか、経済「学者」と呼ばれる人ですら、この「努力」というものを信じてやまない。

 もっともらしいグラフや数値を並べ、小難しい理論を言い立てても、結局頼るところが個々人の「努力」であるなら、そのようなものは科学ではなく、文学の類い、SF小説かなにかのようなものだ。

 

 努力云々など、知的生き方文庫にでもまかせておけばいい。

 「経済」を語るはずの新聞が、社説で垂れ流してよい言論とは、とても思われない。

 

 

ルイセンコ学説の興亡―個人崇拝と生物学 (1971年)

ルイセンコ学説の興亡―個人崇拝と生物学 (1971年)

 

 

追記

 

 こうした論とこのようなツイートとは、半歩と離れていないということを任ずるべきだ。