IT革命というのがあったっけ


成長促すエンジンにIT戦略生かせ :日本経済新聞

 

 日本でインターネットが商用化されたのは1992年である。

 日本におけるネットの歴史は、そのまま「失われた20年」に重なる。

 バブルのようなものはあったが、結局生み出されたのは2ちゃんねるホリエモンくらいだった。あ、楽天というのもあったっけ。あとはヤフーか。

 アメリカからアマゾンやグーグルが出現したのとは大違いである。

 何がその明暗を分けたかについては諸説あるが、結局は新しいものに対して、多くの人々が臆病だったことが大きい。特に保守的な評論家たちは、ITについて斜に構えた言説ばかり垂れ流し、アマゾンやグーグルについても「あんなものがうまく行くかは疑問」というようなことを書いていた。

 それは日経さんも例外ではない。

 従来の企業については提灯記事を載せつつ、その側にアマゾンの大赤字の記事をでかでかと掲げたりしていた。

 そうした態度にそぐうものは、2ちゃんねるというファシズムの菌床でしかなかった、というわけだ。

 IT戦略云々という前に、己を見つめ直すのが先ではないか。

 

 

IT革命の虚妄 (文春新書)

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