これはダブスタではないのか


安倍政権は農協の抜本改革を断行せよ :日本経済新聞

 

 改革を強く唱えているのは、むしろ維新など野党の方だ。民主党は農協に政治的中立を求め、距離を置かれている。

 農協が依然として選挙に強い力を持っているのは、先般の「佐賀の乱」を見てもわかる。だからこそ日経さんは、自民党ではなく「安倍政権」に声をかけているのだろうが、とりあえず統一地方選が終るまではさしたる動きはできないだろう。

 日経さんとしてはTPPの成立に邪魔だから排除したいのだろうが、それには自民が農協抜きで選挙に勝てるようになるのが先決だ。

 


実効性ある原発テロ対策を :日本経済新聞

 

 原発を無くせばそんな心配はなくなるのだが、そんな身も蓋もないことは聞きたくないということか。

 この「テロ」とは誰によって起こされることを想定しているかと言えば、社説でははっきりと言っていないが、「反原発派」によるものを考えていることが読み取れる。

>原発内部の者によると推定される不審な出来事がこれまでも現実に起きている。2007年に北海道電力泊原発で火災が連続した。他の原発でパソコンなど機材が行方不明になった事例もある。

 こうした内部の犯行を「事前に」防ごうとすれば、極端な管理体制を敷く他ない。いっそ、運転を自衛隊に委ねてはどうか。こんな不自由なシロモノは、自由主義経済の「商品」となりえない。どうしてもやりたいのであれば、国営として自衛隊が動かすようにする。そうすれば、「民間」というあり方に隠されてきたことが、よりあらわになって見えてくる。

>電力会社はトラブル隠しなどで国民の信頼を失った過去もある。秘密主義が原発の安全にマイナスの影響を与えかねない点にも配慮して制度を考える必要がある。 

  もはやフクイチによって失われた「信頼」のことなど眼中に無いようだ。

 日経さんは、原発のためなら「自由」が制限されても構わない、とお考えのようだ。

 

 農協も原発も、いわば「既得権益」というやつである。

 この二つについて、TPPに邪魔な農協のそれは解体し、大事故を起こした原発のものは強化しようとする。これはダブスタではないのか。

 それが日本の「経済」のためだと、日経さんはおっしゃるのだが。