テロ集団と「敵対的共犯関係」にある現政権

 例の中東に巣食うテロ集団(ISISとかイスラム国とか呼ばれるものたち)は、現政権の思惑通りに、その行動を遂げたかのようだ。

 政権は犠牲者の方々への哀悼を利用し、威勢のいいかけ声で国内の好戦的気分を盛り上げ、反対意見を圧殺しようとしている。

 これはすなわち、テロ集団と敵対的でありながら「共犯関係」を結ぶものだ。

 一時期のブッシュ・ジュニアビンラディンのような関係である。

 テロ集団の思惑は、すべてを暴力で決着する現況を肯定させることであり、その行いに敵対しつつも同様のことをなすべく行動するならば、それは「共犯関係」と呼ぶのがふさわしい。

 テロ集団が事件を起こせば起こすほど、あべぴょんの思惑に沿った政策を打ち出すことが出来るからだ。

 現に、自衛隊の派兵だのなんだのと、今だチャンスだとばかりに言い出しているようだ。

 もしそれらが現実に行われたとしても、思ったほどにはテロ集団を圧することにならないだろう。むしろテロを裏打ちするものとして、中東の多くの貧しい若者たちに印象づけられてしまうに違いない。

 

 さらには、ネットにおいて「テロを批判するあべぴょんを批判するのは、テロを肯定しているのと同じ」という、信者たちの幼稚な論理が飛び交っている。

 むしろあべぴょんを批判することこそが、共犯関係にあるテロ集団を批判することに繋がるのだが。

 彼らは知らず知らずテロ集団に加担していると言っていい。

 

 では、あべぴょんを信じたい日経さんはどうだろうか。

 


後藤さんの志を踏みにじる卑劣な犯行 :日本経済新聞

 

拡散するテロが世界を脅かしている。解決には震源地である中東の平和と安定の実現が不可欠だ。安倍晋三首相は「テロに屈することなく、中東への人道支援を拡充していく」と述べた。

 方向は間違っていない。国際社会と連携してテロに立ち向かい、中東を安定させる取り組みに率先して加わることは重要だ。同時に忘れてはならないのは危機管理の力を高めることだ。

 

 ……大して変わらない。おそらく、他のマスメディアも同じようなものだろう。

 

 先週、以下のような記事が週刊ポストに載った。


安倍首相中東訪問 外務省は時期悪いと指摘も首相の反応は逆 (NEWS ポストセブン) - Yahoo!ニュース

 

 正直この記事を読んだときは(また正体不明の「関係者」か)くらいにしか思わなかったのだが、次の週になってもポストは「本誌だけが知る独占スクープ」を続けている。

 100%とは言わないが、半分以上真実が含まれているのではないか。特にこの部分。

「総理は『フランスのテロ事件でイスラム国がクローズアップされている時に、ちょうど中東に行けるのだからオレはツイている』とうれしそうに語っていた。『世界が安倍を頼りにしているということじゃないか』ともいっていた」

 

 テロを利用し、国政を己の妄想に沿って自儘に動かそうとする、そんな総理への批判が封じられるのなら、日本の政権も「テロ集団」と呼んで差し支えなさそうだ。

 

 

共犯恋人関係 (オヴィスノベルズ)

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