中国はソフトランディングに成功するか


成長目標を引き下げた中国のジレンマ :日本経済新聞

中国で全国人民代表大会全人代、国会に相当)が開幕し、李克強首相は今年の実質経済成長率の目標を前年より0.5ポイント低い7%前後にすると表明した。

 これは昨年の実績である7.4%よりも低い。景気の下振れ圧力は高まっているとみられ、現実的な目標を掲げたと評価できる。

  ソフトランディングはハードよりも一層のテクニックが必要とされる。成功したなら、中国は真の「大国」として存在することになるだろう。箱根駅伝のセオリーを引くなら、「下りを制するものがレースを制する」からだ。

2008年のリーマン・ショックのあと、共産党政権は強力な景気対策に踏み切った。 

 あの時、多くの国が中国という浮き輪につかまった。アメリカもそうした。日本だけがアメリカの足首をつかんでいた。

国防費の細目の公開など、透明性を高め周辺国の不安を和らげる努力を、中国政府は強めるべきだ。 

 概ねは人件費であり、貧困層へのクッションの役割もあるのだろう。装備などは自衛隊の人間が「お話にならないレベル」と言っていたので、そうしたものを新しくすると言う意味合いもあるのかもしれない。

 だが、それでも安易に増やしていいものではない。

 いったん増やした軍事費を削るのは、どの予算よりも大変なのだ。

 それは時代や体制や民族を問わない。

 やがて自らの首を絞めることになりかねない。

 

 そして、日経は触れようとしていないが、


中国が原発事業を認可、福島事故後初-紅沿河で原子炉建設へ - Bloomberg

 中国が原発を増やそうとしていることについて、本来なら日本政府は強い懸念を表明すべきだ。

 これは軍事費よりも由々しき問題である。

 だがそれができないのは、自身も再稼働に向けて邁進中だからだろう。

 繰り返すが、次の原発事故は中国があぶない、と私は考えている。

 起こってしまえば、あらゆる希望、計画、目論みすべてがダメになる。

 歯止めをかける声が中国内で大きくなることを期待したい。

 

 

中国 原発大国への道 (岩波ブックレット)

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