その努力は何のためにあるのか


集団的自衛権への支持広げる努力を :日本経済新聞

よく引き合いにだされるのが、原油の輸入ルートである中東・ホルムズ海峡が封鎖された場合、行使が認められるのかどうかだ。 

  私以上の年配の人間なら、その話は「聞き飽きた」だろう。

 シーレーンの確保云々は、毎朝のように竹村健一あたりが語っていて、「だから日米安保は必要なんや」と繰り返し垂れ流していた。

 それから数十年が経っている。今更自衛隊なんぞが出張らなくとも、すでに何重もの対策が米軍によって施されているのだ。

 本来の日経さんならば、「シーレーンは危ないから原発推進!」と主張するところだと思うが、なんで集団的自衛権なんだか。

 

 ここから脳内お花畑の左翼的妄想を開陳しておこう。

 「インフレがいつ起こるかというのは簡単なことなんですよ。戦争が起きるとインフレになる」

 ということを喚いていたのは、長谷川慶太郎という保守派の評論家だ。「日本のバブルは終らない!」とか、その時その時で調子のいいことを歯切れよく喋る、ある種の人々には便利なだけの人間だった。

 その言説は99%ゴミ同然のものだったが、この一言だけは今も引っかかっている。

 考えてみれば、ハイパーインフレと呼ばれるものには、常に戦争が絡んでいた。戦費調達もしくは賠償支払のために紙幣を刷りまくると、それがインフレを引き起こすのだ。戦前のドイツやオーストリアだけではない。戦後の中国でも国民党がやらかした。南米でも戦争があるたび極端なインフレになった。

 経済学では紙幣を大量に流通すること「こそ」がインフレにつながるとされている。が、QEも異次元緩和も、多少物価は上昇したが、一部の経済学者が騒いだようなハイパーインフレにはならなかった。

 しかし、まだまだ日本のデフレ脱出への道のりは遠い。

 もしかしたら、あと足らないのは「戦争」ではないのか?

 

 ……とこの辺りでやめておこう。

 とにかく20世紀は戦争だらけなのではっきりとは言えないし、「資本家の陰謀で戦争が起きる」というのも、これまた「聞き飽きた」話だからだ。

 ただ、もし上記のような妄想を抱く人間がいたなら一言、「あほか」と言ってやりたい。

 まさか、日経さんは違うよね?

 

 

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