確かに違和感がある。いろいろと逆の意味で。
もし民主党が同じことをしたなら、今頃「社会主義だ!」と叩かれていたことだろう。
だいたい「異次元緩和」というものが、「賃上げ」を伴わなければ意味がない性質のものなのだ。
下手くそな催眠術師のように、無理矢理相手の手を取って動かしている様子は、違和感というより滑稽である。
本来ならば、各労組の委員長に面談してエールを送ったり、共産党との連携を計ったり、そうする方が筋というものだ。しかし、それはあべぴょんには無理だろう。
こうした支援は立場の弱い中小企業が当面の収益を改善しやすくする意味はある。ただし賃上げは、製品やサービスの競争力向上など、企業が地力をつけるなかで実現していくものだ。
なんだか「欲しがりません勝つまでは」の標語が聞こえてきそうだ。一体いつになれば「競争力が向上」し、どの程度までいけば「企業が地力」をつけたことになるのか。
社会全体の「競争力」や「地力」が低下しているからこそ、賃上げが必要とされるのだ。
政府の圧力を受けるかたちで企業が無理な賃上げをすれば競争力が低下しかねない。
まあ、「要請」という名のパフォーマンスが「圧力」とは、また恐れ入った次第だ。「圧力かどうかは、言われたほうがどう感じるかだ」というのは、どうやら日経さんもそのようにお考えのようだ。
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