「金持ち」とは何か?

 「金持ち」とは何か?

 それは、たくさんお金を持っている、ということだけではない。

 たくさんお金を持っているから、どのように使えば世の中のためになるか考えている人だ。

 たくさんお金を持っているから、世の中のためなら損をしても平気な人だ。

 たくさんお金を持っているから、長期的にものを見られる人だ。

 格差を肯定し、新自由主義を唱える人の頭の中には、いつの間にかこのような「お金持ち像」が出来上がっているようだ。

 では、実際にはどうだろう?

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 ある米大手議決権行使助言会社は売却制限を問題視し「経営への市場の規律が働きにくくなる」と反対を呼びかけた。米年金基金からは「海外株主への配慮が不十分」といった批判も聞かれた。

 

 「規律」?「配慮」?それは投資家、いや投機してる連中の方に求められるべきだろう。

 

いずれも理屈のとおった指摘だ。

 

 まあ、日経さんにしてみればそうなのだろうな。

 結局、株主なんぞ偉そうにしていても、一皮むけば貧乏人の集まりなのだ。

 だから少々損失が出るだけで、しつけの悪い座敷犬のごとく喚き立てる。

 トヨタの試みはそうした、「もの言う株主」に対抗するためのものなのだろう。

 

そもそも長期保有の株主づくりは、企業が経営理念や事業戦略を説明し、投資家の賛同を募ることから始めるべきだ。その結果として企業を長期にわたって支援する株主が増え、経営や株価が安定するというのが本筋だ。株式市場に対して強い経営のメッセージを発信する力を、企業はさらに磨いていく必要がある。

 

 「理念」だの「戦略」だの、株主には分からない。

 必要なのは「もうけ」だけだ。

 心持ちは日銭稼ぎにあくせくしてる人々と大して変わらない。

 株主が「金持ち」ではないことが、まず問題なのだ。