雇用改革より雇用者の意識改革を

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 文章を書く方法として、ポストイットに要点を書いてそれを順番に並べ、適当に間をつなぐ、というのがあるらしい。なんだか、そんな風にして書いたんじゃないかと思わされる社説である。

 

十分とはいえまい。労働者派遣制度の見直しでは、本人が仕事を続けたくても3年で変わらなければならない場合が出てくることになった。これでは逆行だろう。

 働く時間ではなく仕事の成果に対して賃金を払う仕組みで、生産性の向上を促す効果を期待できる「脱時間給」制度の新設は、先送りされている。

 

  また「仕事」と「労働」をごっちゃにするというごまかしをやっている。ごまかしでなく、本気で区別がついていない可能性すら感じさせる。

 「仕事」の成果に対する報酬は、単なる労賃とは違う。

 成果主義を言うなら、まず労賃を基準に考える癖をやめるべきだ。

 雇用者側にそうした認識も無いのに、やたら「制度」でもって被雇用者側ばかりあーでもないこーでもないといじってもしょうがない。

 

 日経さんはお得意様のご意向にそったものしか書けない、ということなのだろう。

 しかしそれではいつまでたっても「解決」などしない、ということにもそろそろ気づいてもらいたいものだ。

 そのせいで20年が失われたのだから。

 

 

ずる――?とごまかしの行動経済学 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

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