とらぬタヌキのなんとやら

www.nikkei.com

 

 なんか言ってるけど、結局のところ「法人税減税」なのである。

 法人税さえ減らせば日本復活!

 というのが日経さんの唱えるお題目である。

 まあしかし、それが間違っているというわけではない。デフレのときは減税した方がいいという話もある。あ、デフレは脱したんだっけ?

 

 ついでなんで、アベノミクスとやらの腹づもりを箇条書きにしてみよう。

 

・とにかく消費税増税は必ず成し遂げねばならない。

 しかし、日本はデフレに沈んでいる。

 

・禁じ手を使って日銀が金をばらまけば、すぐインフレになるだろう。

 10%くらいか?そこまでいかなくとも6、7%は固い。

 

・そこへ消費税増税をぶつけてインフレを冷やせば、大衆は諸手を上げて増税を歓迎するだろう。

 デフレ解消、財政再建、万々歳!

 

 とらぬタヌキのなんとやらで、だいたいこんなことを考えていたんじゃないかと推察する。マッチポンプってやつか。

 しかし、最初のマッチで火がつかなかった。なぜだろう?

 是清のときは30%まで行ったし、ドイツなんか天文学的なハイパーインフレになった。

 ドイツについては巨額の賠償金がその元だ、ということがよく言われるが、ライヒスバンクの分析は少し違う。

 火元は「戦時立法」によって戦時中すでに着火しており、賠償金はそこへどんどん薪をくべたということでしかない、というようなことを述べている。

 フリードマンなんかは、薪を山積みしておけばそのうち自然に火がつく、という考えだったようだが、火元が無ければ火事は起きないのだ。

 火をつけるのが「第3の矢」の役目として必要だったのだが、あべぴょんの周りが考えていたのは、燃え盛る火をどのように制御するかで、用意したのは水を汲んだバケツばかりだった。

 

 アベノミクスが始まった頃、私は「期待するほど物価は上がらないだろう」と書いた。

 現在、庶民が「上がった」と感じているのはほぼ消費税増税分であり、物価そのものではない。

 どうすれば火がつくのか。いろいろあるが、「戦争すればいい!」とあのバカが考えないことを祈るばかりである。