得意ワザは「がんばるフリ」

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安倍首相が最も力説したかったのは働き方改革だそうだ。政府がこれまで「研究」にとどめてきた「同一労働同一賃金」について「実現に踏み込む」と明言した。 

 

 やれやれ、今度は「同一労働同一賃金」か。

 

同一労働同一賃金の推進法は制定されたが、定義はまだ確定していない。本当に賃金の上昇につながるのか。企業の負担はどう変わるのか。言葉だけがおどることのないよう、政府の今後の対応を注視したい。 

 

 企業の人件費コストが上がるのではないか、と日経さんはご心配の様子だが、それは杞憂に終るだろう。

 あべぴょんの能力で、そんな大仰なことができるわけがないし、何より本人にやる気がないからだ。

 あべぴょんがやりたいのは、憲法改正だけである。

 

 安倍首相は演説で野党のことを「批判に明け暮れ、対案を示さず、後は『どうにかなる』。誠に無責任」と攻撃した。 

 

 対案ねえ……

 このバカあべぴょんのやり方として、ひとつわかったことがある。

 まずは野党が提示してきそうな「理想」をこちらから先に掲げてしまうのだ。

 「アベノミクスでリフレ!!」とか「女性が輝く社会、SHINE!!」とか。

 そうして自分はかけ声だけ大きく、いかにもやるような「フリ」だけして、実際大したことはしないのだ。

 「できてないじゃないか」という「批判」には、「対案を出せ」とわめいて開き直る。目標そのものは正しいので対案は出しづらい。

 

 勉強のできない子の中で一番困るのは、「勉強するフリだけ上手い子」だ。

 「ちゃんと勉強しろよ」と叱ると、「勉強してるじゃないか!これ以上どうしろっていうんだよ!!」と開き直るのでやっかいだ。

 あべぴょんがどこでそういう手管を身につけたかは知らないが、こうすることによって、自分がやりたくないことをやらず、しかも「批判する方(野党)がおかしい」と印象づけることができるのである。

 日経さんも、その「できない子」の戦略にまんまとはまっている。

 

 ついでなので「同一労働同一賃金」について。

 それはやった方がいいに決まっているが、その前に労働環境の基礎工事が必要だろう。

 最低でも「サービス残業」という習慣を無くすのが先だ。

 でなければ、無理に「同一労働同一賃金」を上からおっかぶせても、杭が足らないマンションのようにぐだぐだになるだけだ。

 

 しかしまあ、一番政治家にしちゃいけないタイプの人間が首相をしてるってのは、困ったものだ。いっそ首相の「フリ」だけしててくれたほうが、ずっといいのだが。