まずはそろりと歩を踏み出したが
ちょいとつま先がラインを超えただけで、市場もメディアも大騒ぎ。こういう効果を狙ったのは、「異次元」やら「サプライズ」やらの系譜につながるものか。
今回、日経さんの指摘はその通りだが、あべぴょんにそれを望むのは無理だろう。
世界的な金融市場の安定に向けた今後のカギは、世界第2位の経済大国となった中国を巻き込むことだ。
これ、あべぴょんにはハードルが高すぎる。
今までいろいろやってみてわかったはずだが、結局日本国内をいじるだけで解決しようとしても無駄なのだ。アメリカはもちろん、中国とも経済について強く連携することが求められる。
中国の方から協調を持ちかけてくれたなら御の字だが、いいようにあしらわれて国内に余計な鬱憤を溜め込むのがせいぜいだろう。
日銀だけが頑張っても無駄に終ることは、ここ数年でよくわかっていることだ。わかりたがらない人もいるようだが。
マイナス金利については、やった方が良いが、劇的な効果を期待するのはちょっと無理がある。上記のような事情もあるし。
それと、よく経済学は自身について「イデオロギー・フリー」であることを求めたがるが、通貨の発行が国家のみの特権で、どんな国際通貨であろうとその背後に国家がある限り、経済に対して政治の「意図」が影響しないことはあり得ない。
上部構造が下部構造によって決定される、という論は正しいと思うが、それはもっと俯瞰的に見た場合のことであって、時々の情勢で考えに入れるのは間違いのもとである。そういうのは、時代が過ぎ去った後になってわかることだ。
あとそれから、
ヘタな鉄砲はとんでもない時に当たる、と言っておこう。
以下余談として、個人の感想。
今回の騒動を見ていて、あるデジャヴに襲われた。
内閣主要閣僚のスキャンダルが取りざたされ、あべぴょんがそれを必死で弁護する、という構図についてである。
結局辞任となったことに関して、慰留されても辞めたのは潔いとか、ぐずぐず引き延ばして往生際が悪いとか、いろいろな評があるわけだが……
まあ、前回似たようなことがあった時、なぜかその閣僚は「自殺」したからねえ。
生きてさえいれば口は動くし、しゃべらせることもできるから、良かったんじゃないかな。辞めて。