やがて日本もそうなれるだろうか?
同社を長年支えてきた家電事業を中国家電大手に売却することについて、室町正志社長は「じくじたる思い」としながらも、「構造改革の一環として断行する」と述べた。
日本がバブルに湧いていた頃、日本企業はアメリカ企業を買いまくっていた。日本国内は提灯行列でもしだしかねない騒ぎだった。
そんな中、ひねくれ者の私はこんなことを言っていた。
「いつか、日本企業も今のアメリカ企業のように、中国の会社に買われるようになるだろうね」
その予言(?)は現在的中しつつあるようだが、自慢になるほど複雑な分析をしたわけでも、未来を特別な視線で見通したわけでもない。ただ平家物語の冒頭とか、燃え盛るカルタゴを見つめるスキピオが「いつかローマもこうなるだろう」とつぶやいたこと、などを思い出していただけである。
当時その予言(?)を聞いた人たちの反応はまちまちだったが、「もしそんなことになったとしても、買い取るのは欧米の企業だよ」という意見が大勢だった。
シャープを台湾企業が買収したことといい(台湾ではかつての日本のように大騒ぎだそうだ)、今回の東芝といい(まだ予断は許さないが)、予言した私自身戸惑うほど日本の凋落は早かった。
現在アメリカ経済は回復し、世界で唯一良好と言える状況にあるそうだ。
日本もやがてそうなれるだろうか?
その望みは薄い、と断じざるをえない。
自民党政権が続く限りは。