梅雨寒にそよ吹く風は神風か

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 ご存知の通り、驚くべき事態となったわけだが、一番驚いているのは、英国人自身だろう。それは離脱に賛成票を投じた連中とて同様である。今は歓喜にわいていても、熱が冷めてみれば「えらいことになった」と気づくだろう。

 

 この先イギリスがどうなるかについては、不確定要素が多すぎで定かではない。確かに言えることとは、ろくなことにならない、ということくらいだ。

 その原因についても、巷間に語られているように「移民排除」が動機となっているとは、必ずしも思えない。格差の拡大によるフラストレーションの蓄積が……と言えなくもないが、事態はもっと直截的であり、かつまた深刻なものだと思う。

 要するに、多くのイギリス人がまともにものを考えられなくなっているのだ。

 格差が拡大するということは、愚か者が増える、という副作用がある。それはフラストレーションのような心理的なものではなく、あからさまに目に見えて現れるのだ。その副作用が無視できないほどに膨らんだのが、今回の事態だと言えよう。

 

 しかし、これは他人事ではない。

 この日本でも「愚か者」は着実に増大している。だいたい、首相からしてそうなっている。

 そして、その度合いはこうした物言いの多寡によって計ることができる。

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 まあ実際、これでアベノミクスの成否云々はうやむやになってしまうだろう。「言い訳のできる失敗はノーカウント」という、よくある「やってもできない子」の心理機制が働くからだ。 

 今回、日本経済ばかりが波をかぶったことの理由、イギリス本国よりもひどいことになっているのはなぜか、ちょっと考えれば分かることだが、その「ちょっと」ができなくなっている。

 

 ろくでもない時期にろくでもない「神風」が吹いたものだ。しかもこれは、ただ一人あべぴょんだけに利がある風である。

 もはや、日本人にまだ考える力が残っている、ということに期待するしかないのだが、それを思うとなぜかため息ばかりが出てくるのだ。