おや?東芝は?

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 数年前なら、ここに東芝の名前が登場していたことだろう。

 もう忘れたのだろうか?

 米大手原発メーカー、ウェスティングハウスをありえない高値で買収、外野で囁かれる不安の声を好業績で一蹴し、日経さんがみんなのお手本として褒めて讃えてアゲまくっていたはずなのだが。

 実際はどうだったのか、一言くらい触れてもいいのではなかろうか。

 

 M&Aは高額になるほど被買収企業の純資産との差額である「のれん」が膨らむ。買収した事業が振るわないと「のれん」の評価を切り下げ、損失の計上を迫られる場合がある。株主は買収事業の採算に敏感にならざるをえない。企業は次のM&Aを進めやすくするためにも、経営の透明性を高めることが不可欠だ。

 

 最後のこの部分を読んで、東芝のことを思い出さない人はいないだろう。名前が出てないことの方が不自然である。

 

東芝 粉飾の原点 内部告発が暴いた闇

東芝 粉飾の原点 内部告発が暴いた闇

 

 

 それから、今年の日本電産コマツはまあいいとして、気になるのは昨年の大型買収であるトールについてだ。

 買収したのは日本郵政である。

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 約65億オーストラリアドル(約6200億円)という、ほぼ相手の言い値で買っているわけだが、これについては嫌な話を耳にしている。

 値切ろうとしたら、某所から横槍が入ってそのままの値段になった、というのだ。

 なんのための横槍かというと、日本からオーストラリアへの潜水艦売り込みをスムーズに運ぶため、である。

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 で、この潜水艦売り込みは結局失敗に終わった。

 この話が本当なら、高値を飲まされた日本郵政はいい面の皮である。

 まだ失敗だと決めつけられるわけではないが、とりあえず現時点では、トールの日本への進出はスムーズになった、ということである。どっちが買収したのやらわからん。

 

 まあなんにしても、ご自分のM&A案件のフィナンシャル・タイムズについて、何も言わないのは如何なものか。

 自分で自分のことを言うのは気恥ずかしいとか、そんな奥ゆかしいメンタリティなど、誰も日経さんに期待していないのだが。

 

奥ゆかしい磯の香り

奥ゆかしい磯の香り