「金融」ってなんだっけ

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 個人の大切なお金を預かる金融機関は顧客の利益を最も重視すべきである。そんな当たり前の大原則に沿って事業体制を整える動きがようやく出始めた。 

 

 「当たり前の大原則」だそうだ。

 日経さんにとってみれば、資産家の皆様こそが重要顧客なのだから、当然と言えば当然なのかもしれない。

 

 しかし、もう一つの「当たり前の大原則」について、日経さんが言及することは非常に少ないように思える。

 それは「金融」の本来の原則についてだ。

 金融とは、資「金」を「融」通することであり、その資金を貸し付けて金利を取らなければ、大事な顧客の皆様に儲けを渡すこともできないし、自分が手数料をとることもできない。

 もしかすると、融通なんてしなくても相場やらをあれこれいじれば稼げるからそれで済む、などと考えているのだろうか。

 今現在日本経済は未だ低成長なわけだが、それは経済活動が低迷しているからであり、それを活性化させるために日銀が各銀行に金を流し込んだり、挙句にマイナス金利で鞭を振るったりしているのではなかったか。

 結局金持ちをさらに金持ちにすることでしか経済が回らないというのなら、庶民の間に「インフレ期待」なんぞいつまでたっても生じないと思うのだが、その辺リフレ「派」の皆さんなどはどのようにお考えなのだろうね。

 

 銀行というところは、晴れた日に雨傘を貸してくれたり、岸に這い上がってから浮き輪を投げたりする、というのは聞いていたが、日経さんの「大原則」とやらを援用するなら、その傾向はさらに拍車がかかりそうだ。