それならもうすでに対岸ではなくなっているような
なんだかピンとこない社説である。
「対岸の火事ではない」などと言いつつ、「日本にはまだまだ火がつくような燃料が足らない」というような論で締めている。
それとも日経さん独自のネットワークで、火がつきそうな企業の情報をつかんでいるのだろうか?
というか、現時点でこのような「火事」について書かれると、全く分野の違う場所でのもう一つの「火事」が思い出されてしまうのだが。
「まず事業を始め、問題はあとから解決する」姿勢を貫いてきた。
女性社員のセクハラの訴えを無視
自称ジャーナリストの準強姦罪をもみ消した。
競合企業から自動運転の技術を盗んだとの疑惑
国有財産を格安で身内に分けた。つまり国民の資産を盗んだ。
カラニック氏のドライバーに対する暴言
「こんな人たちに」とかなんとか。
大株主のベンチャーキャピタルから辞任を求められた。
そろそろか?
一連の問題から浮かび上がるのは、ブレーキ役となる人材がいなかった実態
お友だちを周りに集め、やりたい放題だった。
……とまあ、こんな感じで、名指さずとも誰のことだかわかるような感じだ。内田樹が「今の総理は民主主義で選ばれた政治家ではなく、企業経営者のよう」と言っていたのを思い出す。
日経さんの思惑が奈辺にあったかは知らないが、そういう対岸の火事ならすでにこっちでも燃え盛っている。
古代ローマでは、川向こうの火事に手を叩くplauditeのを戒めたというが、拍手して眺めるうちにこっちの背後も火がぼうぼう、というわけである。
Plaudite! Acta est fabula. 拍手を!芝居は終わった。
(アウグストゥス)