日経さんが「デフレ脱却できないのは労働者がちゃんと働かないからだ」とお怒りです

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 デフレ脱却には賃上げが必要だ、というのはいいのだが、日経さんは「そのためには労働者が今以上にしっかり働かなくてはならない」と仰るわけである。日経さんの言う「生産性の向上」というのは、つまりそういうことである。

 そういえばちょっと前に、「日本で男女平等が進まないのは、日本の女性が怠けているせいだ」と主張する御仁がいたが、それと同じような論理である。

 

 それと、日経さんはよく「農家は補助金漬けで甘やかされている。これでは生産性が上がらない」と仰るが、現在金融緩和で農家以上に甘やかされているのが日本企業である。

 日経さんの論をなぞっていうならば、「日本企業は緩和で甘やかされているので生産性が上がらない」となりそうだが、そこは「労働者の生産性が上がらないせいだ。労働者が怠けてるのが悪い」となるようだ。

 

 「人間」という日本唯一の「資源」を少子化によって失いつつある今となっても、日経さんはまるで『オツベルと象』のオツベルのように、白象が死にかけていても鞭打てとおっしゃる。

 童話では仲間の象が助けに来たが、現実にはそんなことは起こりそうもない。

 日本人はお人好しの白象のように衰退していく。自らはこれでも「幸福」なのだと信じながら。

 

オツベルと象 (ミキハウスの絵本)

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