株というものがのたうつ動きの背後に垣間見えるもの

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 日経さんがごにゃごにゃ言う前にとっとと相場が反発していて、「やっぱりなあ」という感じだ。もはや現代社会は、株式相場の上下で経済を語ろうとすると、少しく混乱することになる。というか、賢しらなことを言うとバカをさらすばかりとなる。こういうご時世になると、「経済」を語ることを商売にしている方々は大変だなあ、と同情を禁じ得ない。

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 多少大きく下げたからといって、追証に追いまくられる人でなければ、酒飲んで頭から布団かぶって寝ちまえば、次の日には夢になってる寸法だ。

 

 とはいえ、日経さんの社説にはちょっぴり面白い部分がある。

 

株安の直接のきっかけは、2日発表になった1月の米雇用統計での賃金上昇だ。 

 

賃上げによる家計所得の拡大や、設備投資など実体経済の強化につながる方向に流れることが望ましい。 

 

 あれ?アメリカの株安は賃金上昇がきっかけで、日本では賃上げが望まれるの?

 つまらないツッコミだが、株式相場の動きの「原因」なんて、ただなんとなくそう言われている、という程度のものなのだ。

 しかし、「賃金上昇=株安」というのがアメリカでは通常の認識になっている、というのが興味深い。もちろん「経済的なファクターがあれこれするから」という経済通な方々の言い分は承知しているが、ここに米経済の「ゴルディアスの結び目」ができているように思われる。

 トランプはそれを一刀両断に断ち切ることを期待されて大統領となったわけだが、とりあえず結び目はさらに複雑に、そしてまた堅くむすぼれてしまった、ということがこの「認識」から窺えるのではないか。

 つまり、格差の解消について、トランプは手も足も出せないし、当人は出すつもりもない、ということだ。