トランプが貿易で「乱射」しそうだからグローバリズムで対抗しようとする日経さん
色々ありすぎて大人しくしていたトランプだが、啓蟄を前にして蠢きだしたようだ。
それが結局は己の首を絞めることになる、と日経さんは警告するわけだが、トランプとしては相手の首さえ締められればどうでもいいということなので、その批判は「まったく当たらない」ということだ。
トランプの大馬鹿三太郎には、芥子粒の半分ほども賛同できない。
しかし日経さんは、企業より広く個々人の利益を優先する考えを、このバカのなすことと同じ「保護主義」のくくりに入れて非難してきたわけで、そちらもまたホウセンカの種ほどにも賛同できないのだ。
それでも昨年は、環太平洋経済連携協定(TPP)から撤退したり、北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉を始めたりしたのを除けば、通商秩序を乱すような過激な決定は控えていた。
トランプが本当にTPPから「撤退」するなら、多少斟酌するところはあったが、要するに自分だけに目一杯都合のいいように書き換えたいのだろう、という意図が見え見えだったので、驚きよりも冷笑が先に立ってしまった。
案の定トランプは、自分に都合よく書き換えるなら、TPPに復帰してもいい、と言いだしている。
今回の決定は米政権の本格的な保護主義化の第一歩となる可能性がある。そうならば世界にとって非常に憂慮すべき事態である。
保護主義もグローバリズムも、下々の人間にとっては共に「憂慮」すべき事態である。
繰り返すが、その点ではトランプと日経さんは同じ穴のムジナなのだ。
日経さんは貿易「戦争」と喚いて危機感を煽りたいようだが、それは「銃乱射事件を防ぐために、教師も銃で武装しろ」という、トランプと同レベルの物言いである。