アベノミクスの問題点についてだらだら書いてみる
某クルーグマンも、アベノミクスの正しい呼称は「クロダノミクス」だと言ってるくらいで、ハルヒコくんの孤軍奮闘ぶりにはとりあえず「お疲れ」と言っておきたい。コスプレして改憲踊りしてるやつと二人三脚してたんじゃ、さぞかし消耗したことだろう。
さて、巷間では「アベノミクスが失敗したのは消費税を上げたせいだ」「消費税増税反対」の声があるが、アベノミクスとは元々消費税増税を目的とした政策である。でなければ、増税積極推進派のハルヒコくんが協力するわけがない。
だいたい、戦前と似た「禁じ手」を日銀が使うなら、時をおかずに増税することが必要になってくる。
本来なら、この場合の増税とは直接税であるべきであり、現代でのそれは累進課税の強化である。
そのことは戦前に高橋是清がリフレを行った時、税の増収を間接税に頼ったため、うまくいかなかったことを見てもわかる。
是清は周囲から直接税の増税を進言されたが、「そんなことをすれば左翼を喜ばせるだけだ」という、アホみたいな理由で却下している。
そのため社会にとんでもなく格差が広がり、それが軍に付け込まれるスキを生んだ。
どうすればよかったかといえば、直接税を増税して増収分を福祉などで再分配すべきだったのだ。
すでに「トリクルダウン」とかいうのは妄説の類とされているが、そんなことは昔の事例を見ればとうに自明のことである。
アベノミクスは、消費税増税を目的としていることが、そもそもの間違いなのだ。
アベノミクスと消費税は別物のように語る人もいるが、それは詐術の類だと考えて良い。
リフレ政策において、同時期に政府が強引な再分配を行わなければ、格差が拡大して固定化し、社会が不安定になってしまう。
そうして格差が「階級化」することは、あべぴょんの望むところなのでそのようにしているのかもしれないが、思ったほどインフレにならなかったのが誤算だっただろう。その辺はハルヒコくんも同様である。
インフレになれば、その火を消すために消費税を増税することができて、それはすんなりと受け入れられたはずだからだ。
インフレにならなかったのは、「三本の矢」とかいうのがさっぱりだったからだ。(要因は他にもあるが、ここでは述べない)
また仮に都合よくインフレになったとしても、それに消費税増税を当てるのは、今以上に急激な社会格差をもたらしたことだろう。
結局は何度も言うように「アベノミクスの最大の障害は安倍晋三」なのである。
それから、失業率の低下を持って経済政策の成功を口にするものがいるが、それは逆に格差の拡大を固定化するものである。その問題は戦前にも起きており、高橋是清も演説でそれを改善する必要を口にしている。
低い潜在成長力のもとでは、格差の解消にある程度の失業率が必要になってくる。
格差を縮めるためには、低賃金での酷使を避け、「食えるだけマシだろ」とされる階層をなくさなくてはならないからだ。
そして失業者には、国家が増税して(もちろん直接税)、その面倒をみることが必要とされる。
でなければ格差が固定して「階級化」し、日本という国家の存在そのものが危うくなることだろう。
ま、それがお望みの方も多いようだが。