裏口のそのまた裏口の印象操作

 裏口入学というやつは、だいたい合否線上にいるやつだけ受け付ける。

 カネを預かって、当の学生が見事合格したら、そのカネを自分のぽっぽに納める。

 不合格だったら、「力及ばず申し訳ありませんでした」とカネを返す。

 裏工作とか、面倒なことは何もしない。

 政治家秘書のよくある小遣い稼ぎだそうだ。

 バレても犯罪めいたことは何もしてないので、せいぜい「預かった」カネを相手に返しておしまいである。

 そんなことは警察もわかっているので、滅多に捜査なんかしない。

 以上は、知人が某大物自民党代議士の秘書の息子と結婚した際、耳にした話である。秘密めかさなくても、多くの人が知っていることと思う。

 

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 今回の件、上記のような原始的ものではなく、裏口にはっきりと贈収賄の条件が残っているという、まったく稀有な例と言える。

 そして、これが贈収賄の条件を満たすのなら、モリカケだって似たようなもんじゃないか、と普通は考えるわけだが、検察はそっちの方にはまったく食指を動かさないだろう。

 そこで「保守」の人たちはこう声をあげるはずだ。

 「東京歯科大の件はきちんと逮捕されたが、モリカケはまったく引っかかっていない。やはり野党と朝日のから騒ぎであって、なんの問題もないものだった」云々。

 幼稚な印象操作だが、幼稚である方が人々は印象を操作されやすい。

 

 検察は珍しくきちんと仕事をした。

 だからといって、他でサボっていることがチャラになるわけではない。

 だが、「印象」としてチャラにしてしまえば、他の「印象」もチャラになってしまう、そんな反知性的(本来の意味で)な事態に陥らないことを願うばかりだ。

 

憧れと印象操作

憧れと印象操作