信頼性って、なんだ

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 この場合の「信頼性」とは、投資家にとっての「信頼性」である。

 一般市民から見たものではない。

 そして、投資家から企業への信頼とは、端的に「つぶれない」ことである。

 ちゃんと儲かってる、というのも大切だが、それ以前にいきなりつぶれたりしない、というのが大前提なのだ。

 株を持たない人間からすれば、そうしたことは「信頼」とはならない。

 粉飾決算をしたり、安全に関わる数値をごまかしたり、経営者一族がカジノにつっこんだり、パワハラやセクハラがはびこっても恬として恥じなかったり、過労死を当たり前のように思っていたり、企業がそういうバカをやらないことの方が大切だからだ。

 むしろ、そうした企業にはつぶれてもらった方がせいせいする。

 だが、投資家からすれば、そうはいかない。

 どんなとんでもない「やらかした」企業であっても、とりあえずつぶれないことが大事なのだ。そうすれば、将来的に利益が出て来ることもありうる。

 「四半期開示」とは、いわば企業がいきなりつぶれたりしないか、目を光らせるためのものだ。

 投資家たちの鋭い眼光を避けるため、企業は必死で人件費を削り、内部留保を増やす。

 その方が投資家の方たちにわかりやすく伝わるからだ。

 投資家のうち、モノをきちんと考えているなんてのは0.1%くらいである。あとは自分の儲けしか目に入らない動物なのだ。

 

 トランプの言い草にはさっぱり賛成できないが、「四半期開示」が日経さんの言う通りに「重要」だとは、これまたさっぱり感ぜられないのである。