じゃ、税金の原点は?
なんか「原点」とか言ってるんだが、ふるさと納税のその前の段階が色々と機能不全を起こしてるんで、それをなんとか補おうというのが「原点」じゃなかったのか。
だいたい近代政治の「税」の原点は、前近代のほぼカツアゲな形ではなく、世の中の「富」の過剰な偏りを防ぎ「再分配」すること、というのではなかったのか。
それが最近はさっぱり機能していないので、あれやこれやと隠居の後知恵のように出されたやっつけ仕事の一つが「ふるさと納税」という制度だったとはずだ。
地方自治体が必死になって返礼品を豪華にするのは、「再分配」という近代税制の目的がないがしろにされすぎていることの表れだろう。
その点への反省なしに地方自治体へ文句を垂れても、本末が転倒してそのまんま起き上がらなくなってしまう。
過度な返礼品以外にも、ふるさと納税には様々な批判がある。例えば富裕層に有利な点だ。所得が多い人ほど税金の控除額が増えるためだ。
富裕層が有利とかいう以前の段階で、過剰な偏りがあるということになぜ気づかないのか。気づきたくないので目をそらしているのか。
多少返礼を贅沢にしても、富裕層の有利より、地方へと税が流れる有利の方が大きいのだ。
多額の税金を納めたものが、多くの返礼を受けたからといって、誰も問題にはするまい。税金をたくさん納めた分、目に見える形でお返しがあるのだから、富裕層の溜飲もわずかばかり下げられるだろう。
そのくせ日経さんは消費税増税をせっつく。
もういっそ消費税を全部地方税にしてはどうだろうか。
せめて消費税の中の国税と地方税の割合を逆転させられれば、たとえ消費税を増税しても、日本の経済は数年のうちに復活できるだろう。