それを「不安」と呼ぶことの不穏
日経さんの「労働」観が透けて見える社説だ。
「派遣は雇用の調整弁」という言葉があるが、日経さんにとって「労働」は調整弁どころか、使い捨ててなんぼの消耗品なのだろう。
政府は人手不足の状況に応じ、業種ごとに外国人労働者の受け入れの停止を判断するとしている。肝心なのは、何を根拠に判定するかだ。日本人の雇用への悪影響を防ぐため、外国人の受け入れの調節は重要になる。具体的な方法を政府は明示すべきだ。
あくまで日本の「上つ方」の都合だけで全てが決められなくてはならない、と日経さんは高らかにお唱えになる。
ここには、一人一人違った背景を持った人間の有様はなく、ただ一括りに「外国人」とされているだけだ。
問われているのは、社会に混乱を起こさず外国人の受け入れを広げる、責任ある政策である。
そのような考え方がそもそも不穏であり、不安の元となっているのだ。自分の毒にあたるマムシのようなものか。
外国人を受け入れるからには、最低限気を使うべきことがある。
それは一体何か?
、外国人が日本で支障なく生活するための環境整備の議論だ。今回の法案が従来のようなその場しのぎの受け入れ策ではなく、正面から外国人労働者を迎え入れるためのものであるなら、生活支援はより重要になる。
日本語学習や住宅の確保、子どもの就学などの支援策に関して、議論を尽くす必要がある。
はずれ。
そんなことはいくらやっても大した効果はないだろう。
外国人労働者に最低限なすべきこととは、絶対に日本人の労働者以上の賃金を支払う、ということである。
これだけで憂慮される「混乱」の九割は消え失せる。
この点、欧米も間違っているため、「混乱」が起きているのだ。
「そんなことはまったく本末転倒だ」というのなら、外国人労働者の受け入れなどやめておくことだ。
「混乱」は必ず起こる。
それがどのような形をとるかわからないが、起こる時には必ず日本社会の病巣を拡大するものとなるだろう。
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