日経さん「言いたいことはわかってるからこれ以上何も言わないでくれ」
「言いたいことはわかってるからこれ以上何も言わないでくれ」という日経さんである。
じゃあ、何も言わなければきちんとやることをやるのかというと、「わかってるから」というだけで何もしないのだ。
そのことは最後の一文に表れている。
米欧の報酬開示の動きも見つつ議論を深めるべきだ。
「議論を深めるべきだ」という。
日経さんの「議論を深める」というのは、議論するだけしてほとんど何もしないことである。するべきことは「議論」だけなので、それを「深めるべき」で終わらせて行動に繋げない、というわけだ。
とはいえ、ジャーナリズムの矜持などハダカネズミの鼻毛ほど持たない日経さんが、口先だけでもこういう社説を書くのにはわけがある。それは、どなたかに気を使わざるをえなかった、ということだ。
誰に気を使ったかといえば、一般読者でもなく、世間様の声でもなく、株主様であろう。
ゴーン逮捕を機に、株主が企業経営に口を挟みやすい環境を作りたい、という動きがどちら様かからもたらされ、日経さんはしぶしぶと従う身ぶりをしてるというわけだ。
株主と企業経営者の間に摩擦が起きると、右顧左眄首鼠両端、二股膏薬が常の日経さんなのである。