ビザンチンの皇妃テオドラについてなぜかネットではあまり語られていない事柄についてのメモ
皇妃テオドラってのは、西ローマが滅んだ後皇帝となって一時は地中海を制覇したユスティニアヌスの妻ですね。まあ、ここらへんの基本事項はググりゃ普通に出てきますから調べて下さい。
で、このテオドラってのはユスティニアヌスがふにゃけだしたころからいろいろやってるんですが、そのなかに「娼婦の解放」があります。
テオドラ自身も踊り子で娼婦だったと言われていますが、貧しい環境から娼婦となった女たちを解放し、解放しただけでなく生活費を与え、それだけでなく身寄りのない元娼婦たちが暮らせる施設も作りました。
で、ネットでぐぐるとテオドラの事歴として「元娼婦」てのはぽんぽんひっかかるんですが、こうした「娼婦解放」なんかはさっぱり出て来ないんですね。私のググりかたが良くないのかもしれませんが、ひっかかってくるのといえば、「娼婦でも皇后になれた!」「娼婦だからといって蔑まれるわけではない」などのお粗末な言説ばかり。蔑まれるわけじゃなかったら、なんでテオドラは娼婦たちを解放しようと思ったんでしょうね。
イスタンブールの大聖堂―モザイク画が語るビザンティン帝国 (中公新書)
- 作者:浅野 和生
- メディア: 新書